投資信託の分配金の基礎知識|利息・配当金との違いや商品の選び方も

2024年04月04日

投資信託を購入するにあたり「分配金」という言葉を耳にすることがあります。しかし、分配金とは何なのか、実はよくわかっていないという方も多いのではないでしょうか。「預貯金の利息や株式の配当金と似たもの」と、なんとなく理解している方もいるかもしれません。

本記事では、資産運用を検討している方向けに、投資信託の分配金とは何か解説します。この記事を読めば、利息や配当金との違い、分配金に着目した投資信託の選び方などがわかり、商品選びの際に役立つでしょう。

投資信託の分配金とは?

そもそも投資信託とは、その名のとおり「信じて託す」投資です。

多くの投資家が投資信託を購入して資金が集まり、投資のプロが集まった資金を複数の株式や債券、不動産などで運用し、お金を増やすことを目指します。その結果得られた収益は、投資信託を購入した投資家に分配して還元されます。ここで還元されるお金のことを「分配金」と呼ぶのです。

分配金は決算日に投資家の口座に入金されますが、毎月支払われるものもあれば、半年に1回や1年に1回のものなど、その頻度は投資信託の銘柄によってさまざまです。また、受け取れる金額も時期や銘柄によって異なり、そもそも分配金が出ない銘柄もあります。

分配金を受け取れる頻度や金額は分配方針をもとに決められており、その内容は交付目論見書に記載されているので、必ずチェックしておきましょう。

分配金の種類

投資信託では、普通分配金と特別分配金(元本払戻金)という、2種類の分配金があります。

普通分配金は、運用によって発生した収益を投資家へと還元するものです。そのため、支払われた普通分配金は配当所得として課税されます。

一方の特別分配金とは、運用していた元本の一部を投資家に払い戻すものであり、運用によって生じた利益ではなく、預けていた元本部分が戻ってくるだけです。投資家の利益とはみなされないため、特別分配金には税金が課されません。

受け取った分配金が普通分配金と特別分配金のどちらにあたるかは、決算後に発行される運用報告書で確認できます。忘れずにチェックしましょう。

分配金と利息・配当金との違い

ここまで読んで「投資信託の分配金は、預貯金でいう利息や株式でいう配当金と同じものではないか」と思った方もいるのではないでしょうか。

たしかに分配金は利息や配当金と似ていますが、異なる点があります。分配金と利息・配当金の違いについて確認していきましょう。

分配金と利息の違い

利息とは、お金を銀行に預けたとき、預けた金額に対して事前に決められている利率をかけた分が支払われるものです。

ここ30年ほど、日本の金利は非常に低い水準で推移しており、預金してもわずかな利息しか受け取ることができません。とはいえ、ほぼ確実に受け取れるという点では、安定性が高いといえるでしょう。

それに対し、投資信託の分配金では運用して得られた利益を分配するため、運用成果によって金額が変わります。運用成績が悪いと利益が出ず、分配金が支払われないケースも生じます。

分配金と配当金の違い

配当金とは、株式を購入した株主に分配されるお金のことです。

投資信託の分配金と株式の配当金との違いとして挙げられるのは、支払い元と支払われるお金の内訳です。

投資信託の分配金は、運用会社から複数の金融商品の配当金や利子・運用益をまとめた利益をもとに支払われます。一方で株式の配当金は、株式を発行した企業から、その企業の事業により生じた利益が支払われるものです。

なお、株式の配当金は保有している株式の数に基づいて金額が決まりますが、投資信託の分配金と同じく業績によって金額は上下するため、支払われないこともあります。

投資信託は「分配金あり」と「分配金なし」に分けられる

前述したように、投資信託の分配金は運用成績次第では支払われないこともありますが、運用成績にかかわらず、もともと分配金のない銘柄もあります。

分配金がある投資信託と分配金のない投資信託のメリット・デメリットを、それぞれ解説します。

分配金がある投資信託の特徴

分配金がある投資信託を購入するメリットは、定期的に利益を得られる可能性があることです。

投資信託の価格は市場の状況に応じて変動し、購入時の価格と売却時の価格の差で利益が決まるため、売却するまでいくら利益が得られるのかはわかりません。これにより「投資信託を長年保有するなかでどんどん価格が上昇したものの、売却の直前に価格が急落し、ほとんど利益が出なかった」というリスクもあります。

その点、分配金のある投資信託であれば、投資信託を保有している期間中も定期的に利益を確保できる可能性があるため、上記のリスクを軽減できます。

一方で分配金がある投資信託は、分配金のない投資信託に比べると、運用益を効果的に増やしにくいことがデメリットです。その理由は、次の見出しで詳しく説明します。

分配金がない投資信託の特徴

分配金がない投資信託は分配金のある投資信託と比べ、効率良く運用益を増やせる傾向にあります。

分配金は投資信託の資産を取り崩して支払われるものです。分配金が支払われると、その分投資信託の価格(基準価格)が下がるため、売却時に受け取れるお金が少なくなってしまいます。売却時のリターンを増やしたいのであれば、分配金がない投資信託のほうが有利でしょう。

また、分配金がない投資信託のほうが「複利効果」を得やすいと考えられます。

複利効果とは、運用で得た利益を元本に追加してさらに運用を続けることで、利益が利益を発生させる状態になり、資産が増える効果を指します。これを繰り返すことで、どんどん発生する利益が大きくなっていく仕組みです。

分配金がない投資信託は、運用して得た利益の一部を引き出すことなくそのまま再投資するため、この複利効果を得ることができ、効率良く資産を増やせます。

そして、分配金がない投資信託を選ぶデメリットには、売却しなければ利益を受け取れない点が挙げられます。前述したように、投資信託では売却時に急に値下がりすることがあるため、利益がほとんど得られない可能性や収益がマイナスになってしまう可能性があることを把握しておきましょう。

投資信託の商品を選ぶ際のポイント

分配金がある投資信託と、ない投資信託の特徴について説明しました。これを踏まえて、投資信託の商品を選ぶ際にはどこに注目すればよいか、ポイントを2点紹介します。

分配金の有無はライフスタイルに応じて検討する

分配金がある投資信託を選ぶべきか、分配金がない投資信託を選ぶべきかは、ライフスタイルによって異なります。これはライフスタイルにより、投資信託を購入する目的が異なるためです。

投資信託を購入する目的には、定期的に収入を得ることや、将来の生活資金を準備しておくことなどがあります。定期的な収入を得たいのであれば、運用益が定期的に受け取れる「分配金あり」の投資信託を選ぶのがよいでしょう。

一方、今すぐにお金が必要というわけではなく、将来に備えて長期的に資産を増やしたいのであれば、複利効果で効率的に運用益を増やせる「分配金なし」の投資信託を選ぶのがおすすめです。

分配金ありの投資信託を選んだとしても、受け取った分配金を元本に追加して投資に利用することは可能です。ただし、普通分配金を投資に再度回したとしても一度受け取ったことにはなるため、税金がかかってしまう点に注意してください。

分配金が多い商品が良いとは限らない

投資信託の商品を選ぶにあたり「分配金が多い商品は、たくさん運用益を出せている良い商品なのでは」と思う方もいるでしょう。しかし、必ずしも分配金の多い商品が良い商品とは限らないのです。

運用成績が良好で分配金が多い商品もあると考えられますが、なかには投資家を集めるため無理に分配金を多くしているケースもあるかもしれません。

収益が出ておらず、元本を切り崩して無理に特別配当金を捻出している商品は、将来的に分配金が停止されたり、元本割れが生じたりするリスクがあります。さらに、分配金が多いほど運用する元本が減ることになるため、運用効率が下がってしまうでしょう。

また、分配金の受け取りには手数料がかかるため、受け取る頻度が高いほど手数料の負担も増すことに注意しましょう。

不動産投資クラウドファンディングにも「分配金」がある

ここまで投資信託の分配金について説明してきましたが、「不動産投資クラウドファンディング」でも分配金を受け取れます。

不動産投資クラウドファンディングとは、複数の投資家からインターネットを通じて集めた資金を、事業者が不動産に投資するものです。一般的な現物不動産投資だと、不動産の購入や修繕のためのまとまった費用がかかるほか、入居者選びや家賃管理などの手間がかかってしまいます。その点、不動産投資クラウドファンディングでは、それらの費用や手間がかからず、少額から始めることが可能です。

不動産投資クラウドファンディングの分配金には、運用益と売却益の2種類が含まれます。運用益は、不動産運用で得た家賃収入から不動産の管理に必要な経費を引いた利益のことで、売却益は不動産を購入時よりも高い金額で売却して得られる利益のことです。

なお、不動産投資クラウドファンディングと似た投資手段に、投資信託の一つである「REIT(不動産投資信託)」があります。

どちらも不動産に少額から投資できる点は同じですが、運用する不動産を投資家が選べるかどうかなど違いもあります。REITでは、投資のプロが不動産の選定から運用まで行ないますが、不動産投資クラウドファンディングでは、投資家自身が投資したい不動産を選んで投資することが可能です。

初めての不動産投資クラウドファンディングは「COZUCHI」で!

不動産投資クラウドファンディングの「COZUCHI」では、短期運用型の場合、希望の不動産に1万円から投資が可能です。

COZUCHIには、売却益の獲得を短期で狙う「短期運用型」と、定期的な分配金を中長期で狙う「中長期運用型」の2タイプがあり、投資スタイルによって選べます。短期運用型はいつでも換金でき、中長期運用型では中途売却のタイミングが半年に一度あります。

好きな物件を選んで投資したら、運用や管理はすべてプロにおまかせできるので、あとは分配金を待つだけです。そのため、投資初心者や仕事や育児で忙しい方でも始めやすいでしょう。

COZUCHIについて気になる方は、ぜひ以下からWebサイトをご覧ください。
COZUCHIのホームページはこちら

また、お問い合わせや会員登録については、以下のページにお進みください。
COZUCHIのお問い合わせフォームはこちら
COZUCHIの会員登録ページはこちら

まとめ

投資信託には分配金のある商品とない商品があり、それぞれメリット・デメリットが異なります。定期的に収入を得たい方は分配金ありの商品、将来に備えて長い目で運用したい方は分配金なしの商品を選ぶなど、ライフスタイルに応じて検討することが大切です。

また、商品を選ぶ際に「分配金が多い投資信託は儲かっているため安全」と決めつけるのは危険です。分配金の履歴や投資信託の基準価額推移なども確認し、健全な運用ができている商品を見極めましょう。

投資信託を始めるか検討している方は、少額から不動産投資が始められる「不動産クラウドファンディング」も選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。不動産クラウドファンディング「COZUCHI」について知りたい方は、ぜひ以下から詳細をご確認ください。
COZUCHIのホームページはこちら

■監修者

名前:齋藤 彩(さいとう あや)
所有資格:CFP(Certified Financial Planner)、1級FP技能士、薬剤師免許

おもなキャリア:
急性期総合病院において薬剤師として勤める中、がん患者さんから「治療費が高くてこれ以上治療を継続できない」と相談を受けたことを機にお金の勉強を開始。ひとりの人を健康とお金の両面からサポートすることを目標にファイナンシャルプランナーとなることを決意。現在は個人の相談業務・執筆活動を行っている。