新NISAとは?内容やメリット・デメリット、現行NISAとの違いについて解説
2024年04月03日
資産運用への関心が高まっているなか、メリットが多い投資制度として注目されているのがNISAです。もうすでに始めている人や、これから始めることを検討している人も少なくないでしょう。
2024年からは新しい制度が開始となり、メリットがさらに拡大されました。そこで今回は、新NISAの内容や以前との違いなどについて詳しく解説します。
そもそもNISAとは?
「NISA(Nippon Individual Savings Account)」は、毎年一定範囲内の金額で購入した金融商品の利益が非課税になる、金融庁管轄の制度です。1999年にイギリスで始まった個人貯蓄口座制度である「ISA(Individual Savings Account)」をモデルとしています。
2014年には「一般NISA」がスタートし、その後2016年からは20歳未満(成人年齢引き下げ後は18歳未満)を対象とした「ジュニアNISA」が、2018年からは少額での長期積立を対象とした「つみたてNISA」がスタートしました。
各投資枠の特徴は以下のとおりです。
一般NISA |
つみたてNISA |
ジュニアNISA |
|
非課税保有期間 |
5年間 |
20年間 |
5年間 |
年間非課税枠 |
120万円 |
40万円 |
80万円 |
投資が可能な商品 |
上場株式やETF、公募株式投信、REITなど |
金融庁に届け出された一定の投資信託 |
一般NISAと同じ |
買付方法 |
通常の買い付けや積立投資 |
積立投資 |
一般NISAと同じ |
払い出し期限 |
なし |
なし |
18歳まで (2024年以降は制限なし) |
併用可否 |
不可 |
不可 |
家庭内で併用可 |
なお、2024年からの新制度では、これら3種類の代わりに「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2種類が設けられています。
2024年から始まった「新NISA」とは
2023年度に行なわれた税制改正により、2024年1月からは新NISA制度がスタートしました。以下、新制度の内容や特徴、以前との変更点などを詳しく解説します。
非課税保有期間が無期限
前述したように、以前は課税されずに資産を保有できる期間が限られていましたが、新制度ではこの保有期間が無期限になります。特に一般NISAにおいては、保有期間がわずか5年しかないことを前提にした投資戦略を取らざるを得ませんでした。
新制度では期限が撤廃されたため、取れる投資戦略の幅が大きく広がるでしょう。
つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能
以前は、NISAを始める際に、一般NISAかつみたてNISAのどちらかを年単位で選ばなければなりませんでした。仮につみたてNISAの口座を開設した場合、その年は一般NISAの口座を開設できず、そのメリットも享受できない、という難点があったのです。
しかし新制度では、以前の一般NISAに相当する成長投資枠と、以前のつみたてNISAに相当するつみたて投資枠を併用できます。これにより、両者のメリットを享受できるようになりました。
年間投資枠が最大360万円
以前は、一般NISAで年間120万円、つみたてNISAで年間40万円の投資上限額が設けられていました。例えば、つみたてNISAで40万円の枠を1年間で埋める場合、月に約3万円までしか投資できませんでした。
その点、新制度では投資上限額が最大360万円と大幅に拡大されています。成長投資枠では年間240万円まで、つみたて投資枠では年間120万円まで投資することが可能です。
非課税保有限度額は最大1800万円
新制度では、課税されずに保有できる限度額も拡大しました。以前は、一般NISAで最大600万円(非課税保有期間5年×年間投資上限額120万円)までしか投資できず、つみたてNISAは最大800万円(非課税保有期間20年×年間投資上限額40万円)までしか投資できなかったのです。
それに対し、新NISAでは保有期間が撤廃されただけでなく、生涯投資枠として最大1,800万円(そのうち成長投資枠は1,200万円)まで運用できるようになりました。
制度実施期間が無期限
以前は、一般NISAが2027年末まで、つみたてNISAが2042年末まで(いずれも新規の買い付けは2023年まで)と、制度に実施期限が設けられていました。
制度の恒久化も目的の一つとしてスタートした新NISAでは、この制度実施期限がなくなりその結果、より多額の資産を、より長期にわたって運用できるようになったのです。
投資枠の復活が可能
以前は、株式などを売却しても、それによって課税されずに保有できる限度額が増えることはありませんでした。
しかし新制度では、株式などを売却した場合、取得価額分が翌年以降に買付金額分として反映されます。つまり、非課税保有限度額ぎりぎりまで運用していた場合でも、売却をすれば非課税保有限度額に余裕を持たせられるということです。
このことも、長期的な投資を行なううえで大きな変更点だといえるでしょう。
新NISAのメリット
さまざまな変更が加えられた新NISAですが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。詳しく解説します。
より多くの資金を非課税で運用できる
新制度の大きなメリットとして挙げられるのは、非課税で保有できる額が拡大したことです。以前は、非課税の範囲で保有できる額が限られており、限度額を超えた分については約20%の税金が課せられていました。
仮に、1,000万円以上の資産をNISAで老後のために運用しようとした場合、限度額を超えた分の運用益から約20%の税金分が差し引かれることを考慮する必要があったのです。
しかし、新制度では非課税保有限度額が大きく拡大されたため、そうした考慮は必要ありません。例えば、毎月5万円を30年間(合計1,800万円)、年利3%で運用できたとすると投資資産額は約3,000万円になりますが、その際の運用益に税金がかからなくなったのです。
かつて話題になった「老後2,000万円問題」をきっかけに老後に備えるお金を貯め始めた、という人も多いでしょう。新NISAはそのような人にとって、資産形成の大きな力となると考えられます。
自分に合った資産運用ができる
新制度には、非課税保有期間や口座開設期間の制限がないため、非課税保有限度額内であれば生涯にわたって課税されることなく運用できます。その結果、以前のように期間が終わる前に何らかの対策をとる必要がなくなりました。
また、新制度では2つの投資枠を併用できるようになったことにより、目的やニーズに合わせた無理のない運用が可能になりました。例えば、つみたて投資枠で投資信託を20年、30年と長期でつみたて運用しながら成長投資枠を使って上場株式などに投資するといったような、以前はできなかった戦略もできるようになったのです。
新NISAのデメリット
メリットの多い新NISAですが、始める際にはいくつか注意するべきポイントがあります。どのような点に気を付けるべきか、詳しく解説します。
現行NISAの残高は新NISAへ移行(ロールオーバー)できない
すでにNISAを始めている人は、既存のNISA口座から新しいNISA口座へのロールオーバーができない点に注意しましょう。
以前のNISAでは、運用していた株式などの非課税期間が終了した場合、それらを翌年の非課税投資枠へと移管(ロールオーバー)する、NISA口座ではない課税口座へ移す、売却する、という3つの選択肢がありました。
しかし、既存のNISA口座と新しいNISA口座は別々に管理されるため、旧NISA口座での購入分は、そのまま新NISA口座に引き継げません。既存のNISA口座で株式などを運用していた人は、それらの非課税期間が終了した場合、課税口座に移すか、あるいは売却する必要があります。
既存のNISA口座の資産を新NISA口座にまとめたいのであれば、既存のNISA口座で運用していた株式などを一度売却し、その売却益をもとに新NISAの口座で取引をすることになります。
元本保証がない
新NISAは投資である以上、必ず利益を得られるわけではありません。購入した株式などによっては、将来元本割れしてしまうリスクもあることを理解しておく必要があります。したがって、原資には余裕資金をあてることが大切です。万が一損失が出てしまったとしても、日常生活に影響が出ないような対策をとっておきましょう。
また、元本割れのリスクは、長期的に運用し続けることである程度低減できます。短期売買を繰り返すのではなく、長期保有を心がけましょう。
自由度が高い分、判断力が必要になる
新NISAでは以前よりも自由度が増し、より柔軟に運用できるようになりました。
しかし、当然のことながら、どこに投資していつ売却するかは自分で判断しなければなりません。選択肢が広がった分より難しくなった、と考えることもできます。しっかり運用方針を定めることや、継続的に情報収集し続けることが大切です。
特に投資初心者の場合は、すぐに賢い運用をするのは難しいでしょう。まずは少額から始めること、始める際には銀行などでプロに相談することをおすすめします。
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新NISAは自由度が高く、それまでと比べるとメリットも多いものの、投資である以上リスクもあります。自由度が高い分、運用する際に知識や判断力も必要です。そのため、新NISAが難しそうだと感じた人は、別の資産運用についても検討しましょう。
また、新NISAを検討している人も、同時に異なる資産運用についても検討するのがおすすめです。なぜなら、投資先を複数に分散させることはリスク分散になるからです。万が一新NISAで損をするようなことがあっても、別の投資先でそれをカバーできます。
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まとめ
新NISA制度では、より長期間、より多くの金額を投資できるようになりました。その一方、これまでよりも適切な投資判断力が必要になったことも否めません。投資の初心者にとっては、少しハードルが高くなったともいえるでしょう。
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■監修者
名前:齋藤 彩(さいとう あや)
所有資格:AFP(Affiliated Financial Planner)、薬剤師免許、1級FP技能士
おもなキャリア:
急性期総合病院において薬剤師として勤める中、がん患者さんから「治療費が高くてこれ以上治療を継続できない」と相談を受けたことを機にお金の勉強を開始。ひとりの人を健康とお金の両面からサポートすることを目標にファイナンシャルプランナーとなることを決意。現在は個人の相談業務・執筆活動を行っている。