円安の基本と原因を徹底解説|不動産投資への影響は?
2024年01月30日
2023年現在、アメリカとの金利差や貿易収支の赤字化などが作用し、円安状態が続いています。円安の影響を小さくするには、どのように資産を運用すべきなのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
結論からいえば、円安対策に有効な資産運用方法のひとつとして不動産投資が挙げられます。不動産は円安の影響を受けにくい実物資産であるうえ、円安によって収益アップも見込めます。
この記事では、そもそも円安とはどのようなものか、2022年以降円安トレンドにある原因は何なのかといった基本を解説します。併せて、不動産投資が円安対策に有効といえる理由と注意点も詳しく紹介していきます。
円安とは?その原因とメカニズム
2023年現在、円安による経済への影響を、さまざまな製品の値上げなどで実感する機会が増えています。そもそも円安とはどのような現象なのか、なぜ円安傾向が続いているのか、原因とメカニズムを詳しく見ていきましょう。
円安とは日本円の価値が低下すること
円安とは、外国の通貨に対して日本円の価値が低下することを指します。反対に、外国の通貨に対する日本円の価値が上昇するのが円高です。
異なる通貨同士の交換比率である「為替相場」は、各通貨の需給バランスや金利、経済情勢などによって常に変動します。つまり為替相場が変動すれば、日本円の価値も変動するということです。特に、基軸通貨である米ドルとの為替相場は経済への影響が大きいため、注目されます。
例えば、ある時点の為替相場が「1ドル=100円」だったとしましょう。その後、為替相場が「1ドル=110円」となった場合、以前は100円だった1ドルが110円出さないと買えなくなります。この状態は、対ドルで円の価値が下がったことを意味するので「円安」です。
一方「1ドル=90円」となった場合、以前は100円だった1ドルが90円で買えるようになります。これは、ドルに対する円の価値が高まっているので「円高」です。
円安になると、日本からの輸出は有利に働きます。日本製の商品の価格自体は変わらなくても、円安の状況下では輸出先の市場で競合製品に対して割安となり、その市場での競争力が増すためです。また、海外での利益をより多くの円に交換でき、輸出企業の利益が増えるメリットもあります。
対して、海外からの輸入コストは高くなります。日本は原材料やエネルギーの多くを輸入でまかなっており、円安は物価高騰を招くリスクがあるのです。
2022年以降円安傾向にある原因
2022年に発生した記録的な円安の要因は、大きく2つです。
1つ目は、日本とアメリカの間で金利差が拡大し、相対的に金利が高い米ドルへの投資が加速したことが挙げられます。もともと日本に比べて金利が高かったアメリカは、加速するインフレ抑制のために、さらに金利を引き上げました。一方、日本は依然として超低金利状態が継続しているため、金利差が拡大します。そして、金利のつかない日本円よりも、相対的に高い利回りが狙える米ドルへの投資が加速し、円安が進行しました。
2つ目が、2022年2月からのロシアによるウクライナ侵攻で、原油などの資源価格がいっそう高騰したことです。消費者の需要拡大による物価上昇は「ディマンドプルインフレーション」と呼ばれ、景気拡大や労働者の賃金上昇をともないます。景気が加熱している状態なので、物価を抑えるには金利アップが有効です。
一方、昨今の日本におけるインフレは、資源価格高騰などによって引き起こされています。これは「コストプッシュインフレーション」と呼ばれ、景気拡大とは無関係に物価が上昇します。物価を抑えようと金利をアップすると、経済に大きなダメージを与える可能性があります。
日本では景気減速の懸念もあり金利を上げる方向に舵を切れず、日米間の金利差はより拡大し、円安に拍車がかかる結果となりました。
2023年は円高に転じるとの見方もありましたが、現実には2023年10月現在も円安は継続しています。
これは、アメリカの金利上昇が継続し日米金利差の解消の見込みがないこと。特に日本が依然として輸入に依存しており、輸入時にドル買い円売りが起こってしまうことが影響しているでしょう。輸入時にドル買い円売りが起こるのは、日本企業がアメリカから製品を輸入する際に、代金をドルで支払う必要があるためです。円を売ってドルを買うことになるため、輸入への依存度が高まるほど円安の進行につながります。
それぞれの要因がすぐに解消されることは難しく、円安傾向はしばらく続くこともあり得ます。円安の状況下では輸入品の価格が高くなるだけでなく、原材料を輸入に頼る商品の価格も上昇します。特にエネルギーや穀物などは輸入への依存度が高いため、家計に大きな影響が出るでしょう。またインフレは、現金や預金などの資産価値を目減りさせてしまいます。
これらのことから、資産を守り拡大していくためにも、円安対策を考える必要があるといえるでしょう。
不動産投資が円安対策に有効といえる3つの理由
すぐに円安傾向が解消される兆しが見られないなか、円安対策には不動産投資が有効手段の1つと考えられます。なぜ不動産投資が円安対策になるのか、3つの理由を解説していきます。
海外からの投資が活発化して収益性アップが見込めるため
円安では、海外からの投資の活発化により、不動産の収益性アップが期待できます。
円安になると、日本円の価値が外国通貨に対して下がるため、外国人が日本の物件を安く買えるようになります。このため、外国人投資家の購買力が増しています。
外国人投資家が円安によって日本の不動産を安く買えるようになり、不動産市場が活発化します。市場の活発化は物件価格の上昇につながり、不動産賃貸や売買のニーズも上昇します。そして、新築物件の価格上昇につれて中古物件の価格が上昇し、賃貸ニーズも拡大することで所有物件の収益性向上が期待できるのです。
特に、東京などの外国人投資家から人気の高いエリアでは、不動産価格の上昇が顕著にあらわれています。
円安でも比較的安定した賃料収入が見込めるため
不動産の賃料は円安でも比較的安定している点からも、不動産投資は円安対策に有効といえるでしょう。
良いインフレの場合、景気が良くなって消費者の購買意欲が増大し、モノやサービスの需要が増加します。その結果、需要の高まりによって商品の価格が上昇し、企業の収益アップが賃金アップをもたらし、さらに購買ニーズが高まるという好循環をもたらすのです。このようなインフレを「ディマンドプルインフレ」といいます。
しかし、2023年現在のインフレは「コストプッシュインフレ」です。円安による資源や資材の価格高騰が物価上昇をもたらしているため、賃金アップをともなっていません。コストプッシュインフレは「悪いインフレ」とされ、消費が減少する要因となります。
そのような状況下でも、家賃はすぐに大きく下落する可能性は低いでしょう。一般的にモノやサービスに対する消費と異なり、景気が悪くなったからといって、住まいは基本的な生活の要素であるため、一定の居住水準を維持することが考えられます。そのため、住まいのコストを極端に絞ることは考えにくいでしょう。
不動産投資の賃料収入は比較的安定しているので、円安や資源価格高騰を発端とする景気停滞局面にも強いといえます。
不動産はインフレに強い実物資産であるため
円安は資源や資材の価格高騰を招き、コストプッシュインフレを引き起こすケースがあります。昨今の状況は、まさにそのケースに当てはまるでしょう。こうしたインフレの状況下で強さを発揮するのが、不動産をはじめとした実物資産です。
インフレは物価上昇局面のことを指します。つまり、お金の価値が下がり、モノの価値が上がっている状態にあるということです。
現金や預金は、額面どおりの価値しかありません。そのため、インフレによってお金の価値が下がれば、同じ額面でも価値は下がってしまうのです。
これに対し、不動産などの実物資産はお金の価値に関係なく、一定の「モノとしての価値」を持っています。円安が招く「悪いインフレ」の状況下においても、不動産が持つ価値は下がりにくいでしょう。
円安トレンドにおける不動産投資の注意点
不動産投資は円安対策として有効であると紹介しましたが、円安トレンドで不動産投資に取り組むにあたっては、注意点が3つあります。
物件価格上昇により初期投資コストが膨らむ可能性がある
前述した、外国人投資家の参入による不動産市場の活発化は、物件価格の上昇を引き起こします。新たに不動産投資にチャレンジしようと物件購入を検討する場合、イニシャルコストが膨らむ可能性がある点に注意が必要です。
特に、東京をはじめとした人気の高いエリアでは物件価格が高騰しており、資金の少ない投資家にはハードルが高くなるでしょう。
そんな初期投資コストが膨らみやすい状況においては、少額から投資可能な不動産投資クラウドファンディング「COZUCHI」がおすすめです。都心の一等地にある不動産でも1万円から投資できるので、気軽に不動産投資にチャレンジできます。
物件の維持費が高くなる可能性がある
円安によるインフレの状況下では、物件価格だけでなく物件のメンテナンスにかかる費用が高くなる点にも注意が必要です。
不動産投資で収益を継続的に得るためには、常に物件をメンテナンスし続けなければなりません。日々の水道・光熱費のほか、老朽化や不具合が生じたりした箇所の修繕費など、メンテナンスにはコストがかかります。
また、円安によって物価が高騰すると、水道・光熱費や修繕にかかる原材料費はコストアップする可能性も高いでしょう。賃料収入が変わらないなかで維持費が上がれば、収益性の悪化につながります。
こうした事態を防ぐには、建材や設備をメンテナンス頻度の低いものや省エネ性能の高いものにするのが有効です。ただし、高性能な商品は価格が高いため、初期費用と維持費のバランスをしっかり検討するようにしましょう。
金利が上昇する可能性がある
前述したように、現在の物価上昇では金利アップ効果が見込めませんが、このまま物価上昇に歯止めがかからなければ、状況は変わるでしょう。物価上昇を食い止めるため日本銀行による金融引き締めが行なわれ、金利がアップする可能性も考えられます。
金融引き締め政策によって金利がアップすると、不動産投資ローンや住宅ローンの金利も上昇することが考えられます。
そうなれば、金利と物価価格の上昇によって、ますます物件購入のハードルが高まる可能性があるでしょう。また、すでにローンを組んでいる投資家の返済負担が大きくなり、物件の収益性が悪化するケースもあるので注意が必要です。
「COZUCHI」を使った不動産投資で円安に備えよう
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COZUCHIでは、1万円からの小口投資が可能です。円安の影響で物件価格が高騰している状況でも、手軽に不動産投資を始められます。
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まとめ
2023年10月現在、円安トレンドが継続しています。資産を守り、さらに拡大していくためには円安対策が重要です。
インフレの影響を受けにくい実物資産を投資対象とする不動産投資は、円安でも収益性アップや安定収入が狙える投資方法として注目されています。円安対策に有効な資産運用方法を探している方が、検討する価値はあるといえるでしょう。
さらに、「COZUCHI」を利用すれば、少額からの投資も可能です。円安に伴う物件価格の上昇が進んでも、このサービスを利用することで、気軽に不動産投資を始めることができます。円安対策として、不動産投資を「COZUCHI」で始めるのはいかがでしょうか。
【監修者】
名前:金子 賢司
東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はジャザサイズ。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信している。
保有資格:CFP