住宅ローン控除の確定申告のやり方・必要書類・書き方をわかりやすく解説

2024年01月16日

住宅を購入する際、住宅ローンを検討される方は多いでしょう。その場合、住宅ローン控除を活用すれば税金が控除されることはご存じでしょうか?住宅ローン控除は住居を購入だけでなく、増改築などでも適用される場合があります。

本記事では、住宅ローン控除の確定申告のやり方や必要書類、書き方などをわかりやすく解説します。住宅ローンをお考えの方はぜひ参考にしてください。

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とは

住宅ローン控除は、マイホームの購入やリフォームで住宅ローンを利用した場合に、所得税や住民税が減税される制度です。正式には「住宅借入金等特別控除」といい、「住宅ローン減税」とも呼ばれます。

具体的には、年末のローン残高の0.7%が所得税・住民税から控除されます。細かい条件は新築・中古などの条件によって異なり、例えば2022年・2023年に新築で長期優良住宅・低炭素住宅に入居した場合は、最大で35万円の控除が13年間適用されます。

控除を受けるには、適用要件や適用期間、借入限度額などの条件を満たす必要があります。それぞれについて解説します。

適用要件

適用要件は以下の5つの場合です。

●住宅の新築や新築住宅を取得した場合
●買取再販住宅を取得した場合
●中古住宅を取得した場合
●増改築などをした場合
●要耐震改修住宅を取得して耐震改修工事を行なった場合

住宅ローン控除は新築住宅以外にも、買取再販住宅や中古住宅でも適用されます。買取再販住宅とは、宅地建物取引業者が物件を買い取り、リフォームなどを行なった中古住宅の一種です。リーズナブルでありながら、新築住宅のようなスペックを備えている点が特徴です。

控除を受けるには、上記の5つの場合に加えて一定の適用条件も満たしている必要があります。おもな共通要件としては、以下が定められています。

●自分のおもな居住用住宅として使用していること
●取得や増改築から6ヵ月以内に居住し始めていること
●床面積が50平方メートル以上で、かつ1/2以上が自身の居住用であること
●合計所得金額が2,000万円以下であること
●ローンの返済期間が10年以上あること

新築・買取再販・中古住宅の場合は、以下の要件が求められます。
●居住を始めた年、その前2年で譲渡所得の課税特例の適用を受けていないこと
●配偶者や特定の親族などからの取得ではないこと
●贈与による取得ではないこと

なお、新築で特例居住用家屋または特例認定住宅等の場合、床面積40平方メートル以上50平方メートル未満、かつ1/2以上を自己の住居としていること。所得金額が1,000万円以下であることが要件です。

また、中古の場合は、1982年(昭和57年)1月1日以降に建築されたもの、もしくは耐震改修基準に適合しており、証明されたものが要件です。
住宅の種類ごとに要件が異なります。事前にどのような要件が求められているのか、要件が満たされているかを確認しておきましょう。

控除率と控除適用期間

住宅ローン控除は2022年度の税制改正により、2025年までに延長されました。控除を受けるには、2025年12月31日までに入居する必要があります。適用されると、新築・買取再販住宅の場合原則13年間、中古住宅(買取再販住宅以外)で10年間控除が受けられます。

控除率は前述のとおり、年末におけるローン残高の0.7%です。例えば、ローン残高が4,000万円の場合は、4,000万×0.7%=28万円が最大控除額です。所得税や住民税から28万円が控除されることになります。

仮に所得税が20万円であれば20万-28万=-8万円となり所得税は全額還付されます。控除しきれなかった額(-8万円)は、翌年の住民税(上限:9万7,500円)から控除されます。

ローン残高は毎年減っていくため、控除額も同様に減っていく仕組みです。ローンの借り換えや繰り上げ返済でも金額が変わっていきます。

借入限度額

住宅ローン控除では借入限度額が定められています。借入限度額を超えた金額は、控除が適用されません。借入限度額は住宅の種類や性能などによって異なります。新築住宅・買取再販の場合は以下のようになります。

住宅の性能 2022年・2023年入居 2024年・2025年入居
長期優良・低炭素住宅 5,000万円 4,500万円
ZEH水準省エネ住宅 4,500万円 3,500万円
省エネ基準適合住宅 4,000万円 3,000万円
その他の住宅 3,000万円 新築住宅:適用外※

買取再販住宅:2,000万円

※一般の新築住宅のうち、令和5年12月31日までに建築確認を受けたものまたは令和6年6月30日までに建築されたものは、借入限度額を2,000万円として10年間の控除が受けられます。ただし、特例居住用家屋に該当する場合は、令和5年12月31日までに建築確認を受けたものが対象となります。

つまり、一般新築住宅・特例居住用家屋で令和5年12月31日までに建築確認を受けていない場合や、一般新築住宅で令和6年6月30日までに建築されなかった場合は、住宅ローン控除が受けられなくなります。詳細は国税庁のWebサイトなどでご確認ください。

国税庁:住宅ローン控除を受ける方へ

また、中古住宅の借入限度額は入居時期に関係なく、「長期優良・低炭素住宅」「ZEH水準省エネ住宅」「省エネ適合住宅」は3,000万円、「その他の住宅」では2,000万円です。

住宅ローン控除の申請に必要な書類とやり方

住宅ローン控除を受けるには初年度は確定申告が、2年目以降は年末調整が必要です。必要な書類と具体的な申請方法を解説します。

住宅ローン控除初年度(1年目)は確定申告が必要

控除を初めて受ける年には、確定申告が必要です。対象住居に住み始めた年の翌年2月から始まる確定申告期間中に申告しましょう。

必要な書類は、以下のとおりです。
●確定申告書
●(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の計算明細書
●住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
●取得した不動産の登記事項証明書
●不動産の売買契約書または工事請負契約書の写し
●マイナンバーカードまたは通知カードと本人確認書類
●源泉徴収票

「確定申告書」、「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の計算明細書」は様式が決まっています。用紙は税務署で取得するか、国税庁の「確定申告書等の様式・手引き等」などからダウンロード可能です。

国税庁:確定申告書等の様式・手引き等(令和4年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)

「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」はローンを組んでいる金融機関から毎年10月頃に送付されてきますが、初年度は住宅ローンの借入時期によって、送付される時期が異なります。送られてこないときは、金融機関に問い合わせましょう。「取得した不動産の登記事項証明書」は、「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」へ不動産番号を記入すれば提出不要です。

また、「源泉徴収票」は確定申告書の作成に必要ですが、提出する必要はありません。

住宅ローン控除2年目以降は年末調整で申請

会社員の方は、2年目から勤務先の年末調整で申請しましょう。

会社へ提出する書類は、以下のとおりです。
●年末残高等証明書
●住宅借入金等特別控除証明書
●住宅借入金等特別控除申請書

住宅ローン控除をする際の確定申告書類の書き方

普段確定申告をしない方にとって、確定申告書類の作成はハードルが高い作業かもしれません。ここでは、「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」と「確定申告書」の書き方を解説します。

(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書

「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」は、取得した住宅の面積や取得価額、ローン残高など、控除を受けるために必要な情報が記載されている書類です。この書類をもとに、住宅ローン控除の金額が計算されます。

様式にしたがって、住宅の面積や取得価額などを記入していきます。最後に「9(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額」の欄に控除額を記入します。

また、2年目以降は年末調整で申請する方は、「10 控除証明書の控除を要しない場合」に○をつけます。

確定申告書

確定申告書の記載で住宅ローン控除に関係する箇所は、2ヵ所です。

まず、第一表の「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額」の欄に、「計算明細書」で計算した控除額を記入します。

もう一つは、第二表の「特例適用条文等」です。ここに居住開始年月日と記号を記入します。記号については、特別特例取得である場合などに必要です。詳しくは、下記国税庁のページで確認してください。

国税庁:確定申告書等の様式・手引き等

まとめ

住宅ローン控除は、住宅を取得した場合や増改築を行なった場合などに適用される制度です。ただし、住宅の性能などによって適用される条件が異なります。住宅の購入や増改築を検討している方は、控除が適用されるかをあらかじめ確かめておいてください。

また、控除を受けるには初年度に確定申告が必要です。普段確定申告をしない方にとっては、確定申告が難しく思うかもしれませんが、それほど難しい作業ではありません。心配な場合は、早めに準備を始めて確定申告を済ませましょう。

【監修者】

氏名:太田 照明
保有資格:損害保険トータルプランナー、生命保険協会認定FP、CFP、1級FP技能士
主なキャリア:大学を卒業後、自動車と外食産業の営業を経験し、その後保険業界へ。