なぜ純金積立は「やめとけ」と否定されるのか?その理由を詳しく解説

2024年04月10日

資産運用の手段はさまざまですが、その一つである「純金積立」に関心を持っている方も多いのではないでしょうか。しかし、純金積立に関しては「やめとけ」「おすすめできない」と否定される声も聞かれます。

純金積立を始めるなら、仕組みやリスクを理解し、他の手段も併せて検討してはいかがでしょうか。

この記事では、純金積立の基礎知識を踏まえつつ、否定される理由やメリット、別の選択肢となる不動産投資の魅力について解説します。

そもそも純金積立とは?

純金積立とは、毎月純金を購入して積み立てる投資方法のことです。おもに地金商・銀行・証券会社などがサービスを提供しており、契約締結後に口座を開設することで運用を始められます。

純金積立には大きく分けて、毎月1万円など金額を決めて投資する「定額積立」と、毎月1gなどグラム数を決めて投資する「定量積立」の2種類があります。

積み立てた金は、運営会社を通じて現金化し、投資額より高く売却できれば利益を得ることが可能です。その他、運営会社が取り扱っているジュエリーや貴金属と交換する、現物(金の延べ棒・金貨)をそのまま引き出すなど、現金化以外の受け取り方法もあります。運営会社によってサービス内容は異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。

金は世界中で取引されている「安全資産」です。比較的価値が安定しているため、純金積立は注目されていますが、一方で否定的な意見も出ています。

純金積立が「やめとけ」と否定される理由


 
純金積立が「やめとけ」と否定される理由には、以下のようなものが挙げられます。

・手数料が高い
・インカムゲインがない
・スプレッドが広い
・メインの投資先には向かない

それぞれの理由について、詳しく説明します。

手数料が高い

純金積立では、純金を購入する際に高い手数料がかかります。

運営会社によって手数料の金額は異なりますが、2~3%が一般的です。株式の手数料が1%程度であるため、純金積み立てがその2~3倍かかると考えると、投資効率が良いとはいえません。

例えば、金の価格が3%上昇しても、購入手数料が3%だと差し引きゼロになり、利益はなくなってしまいます。

また、年会費や引き出し手数料なども支払わなければならないため、利益がその分だけ減ってしまうことも難点です。

純金積立は少額から投資できるものの、手数料によって割に合わない結果となるケースもあります。そのため、収支のバランスを見極めることが大切です。

インカムゲインがない

インカムゲインとは、資産の保有により得られる利益のことです。株式の配当金や株主優待、債券の利息、FXのスワップポイントなどが該当します。

しかし、純金積立は株主や債券と違い、上記のようなインカムゲインが一切ありません。金という安全資産の保有はできますが、単に保有しているだけだと利益は得られないことを知っておきましょう。

良いタイミングで現金化できれば、十分な売却益を得られるため、必ずしも他の投資方法より利回りが低いとはいえません。とはいえ、金の値動きがなければ、手数料や年会費が出ていくだけになり、ただ単に損をしてしまいます。

また、積立購入を一時休止しようにも口座管理料がかかるため、その点も含めて損をしやすいといえるでしょう。

スプレッドが広い

スプレッドとは、購入価格と買取価格の差額のことです。スプレッドが広い(差額が大きい)ほど、資産の売却益は減ってしまいます。

純金積立を含む金取引は、他の投資方法に比べてスプレッドが広く設定されているため、取引にかかるコストが大きくなります。つまり、取引回数が増えれば増えるほど、損をするということです。

スプレッドは運営会社に支払う仲介手数料となり、設定はそれぞれ異なります。損失を防ぐためには、仲介手数料が安い運営会社を選ぶべきでしょう。しかし、純金積立は全体的にスプレッドが広いため、安定した利益を得ることは難しいと考えられます。

メインの投資先には向かない

金の価格は日々変動していますが、金自体の実質的な価値は不変です。ただし、他の資産の価値が変わると、金の価値も相対的に変化します。

例えば、インフレによって通貨の価値が下落したり、不況で株価が暴落したりすると、金の価値は上昇しやすくなります。つまり、金の価値はそれ単体で決まることはなく、世界情勢や経済情勢によって変化するということです。この性質を踏まえると、純金積立は利益を得るための投資方法には不向きといえるでしょう。

純金積立は通貨や株式などの価値が下がった際の備えとなるので、おもにリスク回避の方法として活用されています。

純金積立のメリットとは?


 
純金積立には否定的な意見もありますが、以下のようなメリットがあることも事実です。

・少額からスタートできる
・資産価値がなくならない
・現物保有の必要がない
・スポット取引ができる

それぞれのメリットについても、解説します。

少額からスタートできる

純金積立は毎月1,000円程度の少額から積立購入できるため、気軽に始められることがメリットです。同じ金取引でも金地金投資では、最低数万円がかかります。

大金を用意する必要がなく、低リスクでコツコツと積み立てられるので、投資初心者でも取り組みやすいでしょう。

また、純金積立では「ドルコスト平均法」を利用できます。これは、価格が変動しやすい投資商品を一度に購入せず、一定額かつ時間を分散しながら購入する方法のことです。金の価格が安いときは多めに、高いときは少なめに購入することで、購入価格を抑えられます。

資産価値がなくならない

株式や債券といった投資商品は、状況によって資産価値が大きく変動します。発行元の会社が倒産し、無価値になってしまう可能性もあるため、大きな損失を被りかねません。

一方、金はそれ自体が価値を持っています。先述のとおり、世界中で価値を認められている安全資産のため、原則として資産価値がなくなることはありません。

また、金は安全性や信頼性が高いことから、リスク分散をしつつ資産を保有できる点もメリットです。

現物保有の必要がない

金は資産価値が高く、盗難のターゲットになるリスクもあります。そのため、自分で現物を直に保有する場合、貸金庫や倉庫を借りるなど、何らかのセキュリティ対策を講じなければなりません。

一方、純金積立では運営会社に現物を管理してもらえます。自分で現物を持っておく必要がないため、管理の手間やコストを抑えられることもメリットです。

セキュリティへの不安が生じることもなく、気楽に運用しやすいでしょう。

スポット取引ができる

純金積立は毎月の積立購入だけではなく、少額の金を単発で購入する「スポット取引」も可能です。金の価格が下がったときや資金に余裕があるときなど、タイミングを見計らって金を買い増しすれば、より高い投資効果が見込めます。

また、スポット購入とドルコスト平均法の利点を併せ持つ「月間スポット積立購入」という方法もあります。

純金積立は不動産投資との組み合わせがおすすめ


 
純金積立は少しずつ積み立てる性質上、長期投資が前提になります。そのため、他の投資方法と組み合わせて分散投資するとよいでしょう。

特に不動産投資は長期投資に向いており、純金積立との相性も良好です。不動産投資の魅力を紹介するので、併せてご確認ください。

家賃収入を得られる

不動産投資のおもな収益源は、入居者から得られる毎月の家賃です。賃貸物件を保有しているだけで発生するインカムゲインの一種ですが、家賃は価格が変動しにくいので、安定した収入が見込めます。純金積立にはないインカムゲインがメインでもらえるため、組み合わせることで互いに補完できる点も見逃せません。

また、家賃収入は不動産投資をスタートした時点で金額が把握できるため、資金繰りの予測がしやすい点を踏まえると、副業におすすめの投資方法です。

不動産投資ローンを利用できる

不動産投資用の物件を購入するには、多額の資金が必要です。しかし、各金融機関が提供している「不動産投資ローン」を利用すれば、借入金で物件を購入できるため、少ない自己資金で不動産投資を始められます。

また、不動産投資ローンの契約を結ぶと「団体信用生命保険」への加入が可能です。団体信用生命保険とは、ローン契約中に投資家が死亡または障害を負った際にローンの借り入れが免除される保険で、生命保険代わりになります。

さらに、借入金を使うことにより、少額投資で大きなリターンを得る「レバレッジ効果」が期待できます。

サポートが充実している

不動産投資では、物件探しや各種手続きの際に不動産会社のサポートを受けられるため、投資初心者でも安心して取り組めます。

さらに、入居者募集・家賃徴収・メンテナンス・クレーム対応など、物件購入後の業務全般についても賃貸管理会社にまとめて委託できるため、手間を省ける点がメリットです。本業が忙しい方でも、気軽に運用を始められます。

「COZUCHI」で気軽に不動産投資を始めよう!

不動産投資は、純金積立にはないインカムゲインがメインでもらえるため、組み合わせることで互いに補完できる点が魅力です。

ただし、ノーリスクというわけではなく、空室・家賃滞納・災害・金利上昇などのリスクは存在します。リスクへの対策が足りなかった場合、思わぬトラブルが起こるかもしれません。

「不動産投資は初めてだから不安」「リスクを抑えて運用したい」という場合、不動産投資クラウドファンディングがおすすめです。

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運用はすべてプロに任せて、投資後はほったらかしで運用できるので、投資初心者でも不安なく始められるでしょう。

また、COZUCHIの「中長期運用型」では、インカムゲイン重視のファンドを取り扱っており、半年に1回の定期的な配当が期待できます。

 
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まとめ

純金積立は「手数料が高い」「インカムゲインがない」といった理由から、否定的な意見が出ることも少なくありません。しかし、敷居の低さや安全性に関するメリットがあることも事実であるため、分散投資をする際におすすめの投資方法です。

また、長期投資である純金積立は、インカムゲインが期待できる不動産投資と組み合わせるのがおすすめです。不動産投資は安定した収入が見込めるため、検討してみてはいかがでしょうか。

【監修者】

名前:金子 賢司
東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はジャザサイズ。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信している。
保有資格:CFP