家賃7万円なら手取りはいくら必要?家賃の目安や収入の増やし方を解説

2024年10月09日

新社会人になる人や、これから一人暮らしを始めようと思っている人のなかには、手取りに対して、どれくらいの家賃の家を選ぶのが適切かわからない人もいるでしょう。家賃は毎月の固定費のなかで大きな割合を占めるので、生計を立てるためには収入に対する家賃相場を知っておくことが大切です。

この記事では、これから一人暮らしを始める20〜30代の方が都内に住む上で、一つの家賃相場となる家賃7万円の物件を基準に、必要な収入の目安や生活費、収入を増やす方法などを紹介します。

家賃7万円なら月の手取りは21万円以上が目安

結論をいうと、家賃7万円の物件に住むのであれば、月の手取り収入で21万円以上が目安です。これは、一般的に家賃の相場が、手取り収入の3分の1以内といわれているためです。

手取り収入とは、給与の総支給額から社会保険料や税金などを差し引き、実際に口座へ振り込まれる金額を指します。手取り収入は総支給額の75~85%程度とされるため、手取り収入が21万円であれば総支給額は約25万~28万円になります。

ただし「家賃は手取り収入の3分の1以内」というのはあくまで目安のため、地域やライフスタイルによって多少上下するでしょう。ローンの返済がある人や、ゴルフ・車のようにお金のかかる趣味がある人、積極的に貯蓄をしたい人は家賃を抑えることをおすすめします。

家賃7万円は高い?妥当?

家賃7万円が高いかどうかは、地域や住む人の収入によって感じ方が変わるため、一概にはいえません。例として、東京の家賃相場や20代前半の平均給与から、家賃7万円の金額感を考えていきましょう。

東京で一人暮らしするなら家賃7万円は妥当

東京で一人暮らしをする場合には、7万円の家賃は高すぎず安すぎずといった水準で、借りられる間取りはワンルームや1K、1DKが多いようです。東京は他のエリアと比較して家賃相場が高く、特に千代田区や中央区、港区、渋谷区の家賃相場は10万円前後となっています。

他のエリアの家賃相場は東京の6~8割程度といわれているため、他のエリアで家賃7万円というと、少々高く感じられるかもしれません。あるいは、家賃7万円だと他のエリアでは東京より広い部屋に住める、という考え方もできます。

参照:全国賃貸管理ビジネス協会「全国家賃動向(2024年3月調査)」

平均給与から考えると20代前半で家賃7万円は高い

日本の平均給与と照らし合わせると、20代前半にとって家賃7万円は高いと考えられます。国税庁が行なった「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、20~24歳の平均給与は年273万円でした。

月の給与に換算すると22.75万円ですが、これは総支給額のため手取り収入に直す必要があります。手取り収入を総支給額の80%とすると18.2万円となるため、平均的な給与額を得ている20代前半にとって、家賃7万円は少々高く感じるでしょう。

一方で、20代後半の平均給与は年389万円で、月の手取り収入に換算すると約26万円、30代前半の平均給与は年425万円で、月の手取り収入に換算すると約28万円となります。20代後半や30代前半になると手取り収入が21万円を超えるため、家賃7万円は妥当な水準だと考えられるでしょう。

参照:国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査」

東京23区の家賃相場

公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会が運営する「ハトマークサイト」より、2024年5月15日時点における東京23区のワンルームの家賃相場について、上位10件を抜粋して紹介します。

引用:ハトマークサイト「賃料相場:東京都」

中央区から千代田区までは特に高い金額ですが、目黒区以降は7万円台となっており、9位の江東区からは6万円台となっています。23区のうち、特に家賃相場が低い葛飾区や練馬区、江戸川区は5万円台のため、ワンルームであれば都心部でも十分な選択肢があると考えられるでしょう。

立地や築年数、設備などの条件次第では、都内でも家賃7万円で1Kや1DKの物件を見つけることが可能です。

家賃7万円の物件とは?

家賃7万円でどのような物件に住めるのか、地域ごとに見ていきましょう。

まずは東京23区で、家賃7万円(管理費・共益費込み)に加えて以下の条件で住める物件を探すと、ワンルーム・1Kの物件が多くヒットします。

・駅から徒歩10分
・築5年以内

専有面積でいうと20平方メートル以下の物件が多く、地域では足立区や葛飾区が多い傾向にあります。広さを求めるのであれば築年数が古くなるのは避けられず、設備の条件も一部諦める必要があるでしょう。

23区外であれば、専有面積が30平方メートル前後の物件や1DKの物件もいくつか見つかります。

探す範囲を千葉県や埼玉県にまで広げると、専有面積30平方メートル前後や1DKの物件が増え、さらに1LDKの物件も見つかります。また大阪府大阪市でも、おおよそ同じ条件の物件がヒットします。

愛知県名古屋市では、専有面積40平方メートル超の物件も多くあり、2人で住める物件を見つけることも可能です。広島県広島市や宮城県仙台市では2LDKの物件もヒットし、ファミリーで住めるような物件も見つかります。

この結果を見ると、特に東京で立地や築年数、設備などの条件を厳しくした場合には、家賃7万円で住める物件の選択肢が少なくなることがわかります。近年では、築古でもリノベーションがされてきれいな物件が多くあるため、いろいろと条件を変えてみると住みたい部屋が見つかりやすくなるでしょう。

家賃7万円で一人暮らしする場合の生活費

総務省が実施した2023年の家計調査によると、民営借家を住居とする単身世帯の1ヵ月の生活費は約18万9,000円でした。項目ごとの支出額を以下の表にまとめたので、ご覧ください。(表中、および以下の記述における家計調査を出所とする金額は、すべて民営借家を住居とする単身世帯の支出額です。)

参照:e-Stat「家計調査 / 家計収支編 単身世帯 詳細結果表」

家賃が7万円の物件に住む場合、住居費が約2万円上がるため、月の支出は約21万円になります。「家賃は手取り収入の3分の1」というルールに当てはめると、家賃7万円の物件に住む人の手取り収入は21万円の計算になるため、月の支出とほぼ同額になってしまいます。

ただし、上表の金額はあくまで平均のため、個人の生活スタイルによって平均以下に抑えられる項目はあるでしょう。以下では、家賃7万円の生活における支出の考え方について解説します。

外食の頻度で食費は変化

毎月の支出のうち、家賃に次いで大きな支出である食費は節約しやすい費用だと考えられます。例えば、外食の頻度を減らし、自炊の回数を増やしてみてはいかがでしょうか。

家計調査によると、食費のうち外食費は10,700 円のため、節約の余地は十分にあります。

特に一人暮らしでは、あまり自炊の回数が少ないと食材を持て余しやすく、継続的に行なわないとなかなか効果を発揮しません。働きながら自炊をするのはなかなか大変かもしれませんが、一度に多く作り置きをするなど、できる範囲で挑戦してみましょう。

参照:e-Stat「家計調査 / 家計収支編 単身世帯 詳細結果表」

車を所有しないなら交通費の削減は可能

車を所有しない場合には、交通にかかる費用を削減できるでしょう。家計調査における交通・通信費のうち、自動車関係費は12,651 円です。

自動車関係の支出における代表的な費用には、ガソリン代や駐車場代が挙げられます。移動の頻度や距離によっては、電車やバスを使ったほうが安く済む可能性があります。

公共交通機関が発達している大都市に住むのであれば、車がなくても不便に感じることはあまりないでしょう。ただし、地域によっては車が重要な交通手段となるため、車の要不要は慎重に検討する必要があります。

参照:e-Stat「家計調査 / 家計収支編 単身世帯 詳細結果表」

更新費用の積み立ても忘れずに

特に、一人暮らしを初めてする人は、更新費用の存在を覚えておきましょう。一般的に、賃貸物件の契約期間は1~2年であり、その後も引き続き同じ物件に住む場合には、契約の更新が必要です。

その際に更新費用として、通常の家賃とは別に家賃1ヵ月分を払わなければならないケースが多くあります。つまり、更新月には2ヵ月分の家賃が発生するため、更新費用を少しずつ積み立てておかないと、支払いに困る可能性があるでしょう。

更新費用を払いたくない場合は、更新のタイミングで引越しをする方法もあります。その場合は更新費用を引越し費用に充てられますが、引越し費用はトータルで7万円以上かかるケースが多いため、いずれにしても貯蓄は必要だといえるでしょう。

家賃7万円の物件に無理なく住むために手取りや資産を増やす方法

家賃7万円の物件に無理なく住むために、今よりも手取り収入を増やしたり、資産運用をして資産を増やす必要性を感じている人もいるでしょう。以下では、手取り収入を増やすためのアイデアや資産運用の方法を紹介します。

昇給・賞与で手取りを増やす

手取り収入を増やすために給与や賞与アップを狙うのは、オーソドックスな方法でしょう。昨今は実力主義の評価制度で、成果を上げれば年齢や勤続年数に関係なく相応の報酬を得られる企業も増えています。資格を取得すると手当が支給される企業もあるため、自分が勤めている企業の評価制度を確認してみましょう。

また、先述した平均給与から考えると、20代後半以降には家賃7万円を無理なく支払える給与を得られる可能性もあります。最初は手取り収入に合った家賃の物件に住み、家賃7万円を支払えるようになってから住み替えるのも方法の一つです。

その他、収入アップを急ぐ場合や、現在の会社で満足のいく昇給を見込めない場合には、転職をする選択肢もあるでしょう。

副業で副収入を得る

副業をして手取り収入を増やす方法もあります。仕事内容によっては即金性の高いものもあり、会社の給与アップを目指すよりもやりがいを感じる人もいるでしょう。

ただし、副業を始めるとなると、本業以外の時間も作業をすることになります。そのため、本業に支障が出ないよう、スケジュールや体調の管理はしっかりと行なう必要があります。

近年は企業が副業を認める流れにありますが、念のため副業が就業規則上で問題がないかも確認しておきましょう。

資産運用をして資産を増やす

手取り収入を増やす以外に資産を増やすという観点では、資産運用も有効です。初心者でも始めやすい資産運用の一つとして、投資信託があります。

投資信託とは、複数の投資家から集めた資金をもとに、国内外の株式や債券などに投資する金融商品です。少額から始められる点や、分散投資により比較的低リスクでの運用を目指せる点が優れています。短期間で家賃を捻出するほどの収益を得るのは難しいものの、将来に向けた資産形成としてはおすすめだといえます。

ただし、どの金融商品にも元本割れのリスクはあります。書籍やWebサイトなどであらかじめ、投資先や金融商品の知識を身に付け、無理のない金額から始めるとよいでしょう。

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まとめ

家賃7万円の物件に住むために必要な手取り収入は、約21万円以上が目安です。東京で一人暮らしをするには高すぎず安すぎない金額で、23区内で見つけるならワンルームや1Kの物件が中心になります。

家賃7万円となると、埼玉県や千葉県、その他の地方都市では2人以上の人数でも住める程度の物件が見つかるでしょう。

住居費用を無理なく捻出するためには、生活費の節約や収入アップなどの方法が考えられます。収入や生活費を考慮し、自分に合った物件を探しましょう。

■監修者

名前:八木 満里子(やぎ まりこ)
所有資格:日本証券アナリスト協会認定アナリスト、日本FP協会認定AFP、日本証券業協会一種外務員資格、消費生活アドバイザー

おもなキャリア:
地方銀行で通算21年間勤務、おもに市場リスク管理を担当。
その後、コンプライアンス意識の高さと金融関連資格を強みに金融系ライターとして活動中。
2024年より、一般社団法人日本金融教育支援機構認定講師。