利息とは?利子・金利・利回りとの違い|不動産投資の利回りも解説
2024年04月04日
利息は、お金の貸し借りにともなって必要になる対価のことです。利息に関連して利子や金利、利回りなどの用語も使われますが、意味や違いがよくわからないという方もいるのではないでしょうか。
この記事では、利息と関連する利子・金利・利回りの違いや、計算方法などを紹介します。併せて、不動産投資の利回りに対する考え方や相場などについても解説しているので、資産運用をお考えの方はぜひ参考にしてください。
利息とは?
利息とは、お金を貸し借りする際に、元金とは別に一定の割合で発生するお金のことです。つまりは、使用料や利用料のようなものになります。
お金を借りた人は、貸してくれた人へお金を返す際に、元金に加えて利息の支払いが発生します。利息は、元金に対して一定の割合を用いて、借り入れ期間をもとに計算されるのが一般的です。
利息額が大きくなるほど総返済額は増えることになるため、借り入れの際はどの程度の利息が発生するのか理解しておく必要があるでしょう。
また、金融機関にお金を預ける際にも利息が発生します。これはお金を金融機関に貸し出していることになるため、預金者は利息を受け取れるのです。例えば、100万円を金利0.2%で1年間預金した場合、預金者は2,000円の利息を受け取れます(※税引前)。
利息には「単利」と「複利」がある
利息の計算方法は、大きく分けて「単利」と「複利」があります。
単利は、元金に対して利息が発生する計算方法です。金利が一定の場合、常に発生する利息の額も一定になります。
一方の複利は、元金に利息を足した金額に対して利息が発生する計算方法です。金利が一定でも元金が増えるため、期間が長くなるほど発生する利息も増えます。
単利・複利を意識する必要があるのは、資産運用を行なうときでしょう。複利の場合は利息を元金に組み込むため、利息にもさらに利息がつき、単利よりお金を増やしやすくなるメリットがあります。
しかし、お金を借りる際の利息が複利で計算されると、単利よりも返済額が大きくなってしまいます。
また、消費者金融などのような単利のローンでも、返済のために別の金融機関からお金を借りての返済を繰り返していると、利息が利息を生む複利と同様の状態になるため、注意してください。
利息と利子・金利・利回りとの違い
預金やお金の借り入れに関しては、利息のほかに利子や金利、利回りなど、利息と混同しやすい用語が使用されます。これらと利息との違いを確認しておきましょう。
利子とは
利子は、利息と基本的に同じ意味です。
両者に明確な使い分けの基準はありませんが、お金を借りたほうが支払うのは「利息」、お金を貸したほうが受け取れるものは「利子」のように、慣用的に使い分けられることがあります。ローンにつくのが利子ではなく利息とされるのは、このためです。
ただし、預金にともなって受け取りが発生するお金については、銀行では「利息」、ゆうちょ銀行では「利子」というように、どちらの語も使用されています。
また法律の場合、利息制限法や貸金業法、銀行法などでは「利息」が、所得税法では「利子」が用いられています。
金利とは
金利は「利率」とも呼ばれ、元金に対して生じる利息の割合を指します。利息や利子は金額ですが、金利はパーセント(%)で表記されます。
金利は、1年間の利息である年利を示すのが一般的です。月や日単位で考える場合には、月利や日歩と呼びますが、現在はあまり使用されていません。
利息は「元金×金利」で計算するため、金利のパーセンテージが高いほど、利息額は大きくなります。
資産運用では金利が高いほうが有利ですが、借り入れの場合は金利が高いほど総返済額が増えることを理解しておきましょう。
利回りとは
利回りとは、不動産や株式など、投資したお金に対して得られる利益の割合を示したものです。金利と同様にパーセント(%)で表記します。ここでの利益とは、利息(利子)や配当金、賃料などの収入も含まれます。
利回りも金利と同じく、1年間の利益の割合(=年利回り)を指すのが一般的です。
不動産投資における利回りについて
不動産投資では、物件の収益性に関する指標として利回りが活用されています。不動産投資の利回りの計算方法はいくつかありますが、よく使用されるのは「表面利回り」と「実質利回り」の2つです。利回りといっても、どちらの利回りを指しているかで意味や評価方法が異なるため、注意しましょう。
表面利回りは、投資額(物件価格)への年間家賃収入の割合を指します。グロス利回りとも呼ばれ、一般的に物件広告に記載されている利回りです。不動産投資にかかる諸経費を考慮していないため、通常は実際に得られる利回りよりも高くなります。
一方の実質利回りは、不動産投資にかかる諸経費を差し引いたうえでの物件価格に対する収益割合で、ネット利回りやNOI利回りとも呼ばれます。
実質利回りは、経費を含めるため表面利回りよりも実態に近い利回りです。
利回りについて詳しくは、下記の記事も併せてご確認ください。
利回りとは?利率との違いや投資商品別の考え方・相場を解説
表面利回りと実質利回りの計算方法
ここからは、不動産投資における表面利回りと実質利回りの計算方法を紹介します。
表面利回り
表面利回りは、以下の式で算出します。
表面利回り(%)=年間の家賃収入÷物件価格×100
例えば、3,000万円の物件で年間家賃収入が150万円の表面利回りは、以下のようになります。
150万円÷3,000万円×100=5%
計算式のとおり、表面利回りでは収入の獲得に要した費用が含まれず簡単に計算できますが、あくまでも収益性の目安に過ぎません。実態に即した収益力を判断するには、実質利回りの把握が必要です。
実質利回り
実質利回りは、以下の式で計算します。
実質利回り(%)=(年間の家賃収入-年間の運営費用)÷(物件購入価格+購入時諸経費)×100
実質利回りは、購入時の諸費用や運営に必要な費用などを含んで算出する利回りです。購入時の諸費用には、購入時の仲介手数料や登記費用、印紙税などが含まれ、運営に必要な費用には、火災・地震保険料や固定資産税、物件管理費、入居者の募集費用、修繕費などが含まれます。また、実質利回りでは表面利回りと異なり、空室率も考慮します。
先ほどと同じ条件に、年間運営費用が20万円、購入時諸経費が300万円という条件を加えて実質利回りを計算すると、以下のようになります。
(150万円-20万円)÷(3,000万円+300万円)×100=約3.94%
実質利回りは表面利回りよりも実態に近くなりますが、計算に用いる運営費用はあくまでも予測の数字です。イレギュラーな高額費用が発生した場合には、利回りが低下することが考えられるでしょう。
不動産投資の利回りはどれくらいが理想?
不動産投資の対象となる物件には、戸建てやアパート、マンションなどがあります。さらに、築年数や物件の所在地(エリア)、敷地の購入有無などの条件もさまざまで、物件価格や家賃相場、必要な維持費用も異なります。
そのため、不動産投資の利回りは3~15%程度と相場に幅があります。リスク許容度や投資目的によっても適した利回りは異なるため、理想の利回りについて一概にはいえません。
ただし、相場より低い利回りでは利益を得にくくなり、相場より高ければリスクも高くなると考えられます。対象物件と条件が近い物件の相場を把握し、比較して判断しましょう。
なお、利回りは築年数が新しく都心であるほど低くなり、戸建てよりもアパート、アパートよりも区分マンションだと低くなる傾向にあります。
「利回りが高い=良い投資物件」とは限らない
投資物件を選択する際、利回りは高いほうが良いと考えがちですが、一般的に利回りが高い物件はその分リスクをともなうとされているため注意しましょう。
例えば、物件価格が安いと利回りは高くなります。しかし、物件価格が安い背景には、賃貸需要が少なく十分な家賃収入が見込めない、メンテナンスが不十分で将来的に大きな修繕費が必要になるなどの問題が隠れている可能性があります。
そのような物件では、いくら利回りが高くても、実際には収益性を期待できません。
一方で、利回りが低くても、長期的に見ると収益性の高い物件はあります。例えば、高い入居率を維持できそうな築浅物件などが挙げられます。
投資判断をする際は、利回りの数字だけを見ず、さまざまな面から物件の収益力を見極めることが大切です。
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一定の利回りを期待して不動産投資を検討しているなら、不動産投資クラウドファンディングを利用する方法もあります。
不動産投資クラウドファンディングとは、投資家からインターネット上で集めた資金を使って事業者が不動産を取得し、不動産の運用で生じた利益を投資家に分配する仕組みのことです。
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また、運用をプロに任せられるので、現物不動産投資のような管理の手間も不要です。少額投資のため、種類の異なる不動産に分散投資をしやすく、リスク分散の効果も期待できます。
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まとめ
利息はお金の貸し借りにともなって、お金を借りた人が貸した人へ支払う対価です。預金の場合は、提示された金利にもとづいて、預金者に利息(利子)が支払われます。
預金よりも高い金利で資産を運用したいのであれば、不動産投資も運用の選択肢に含まれてくるでしょう。不動産投資は、物件を実際に購入して始めるほかに、不動産投資クラウドファンディングを活用して少額から始めることも可能です。
不動産投資クラウドファンディング「COZUCHI」では、1万円から始められます(短期運用型の場合)。また、運用はプロに任せられるため、手間がかかりません。資産運用先の選択肢としてぜひご検討ください。
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■監修者
名前:齋藤 彩(さいとう あや)
所有資格:CFP(Certified Financial Planner)、1級FP技能士、薬剤師免許
おもなキャリア:
急性期総合病院において薬剤師として勤める中、がん患者さんから「治療費が高くてこれ以上治療を継続できない」と相談を受けたことを機にお金の勉強を開始。ひとりの人を健康とお金の両面からサポートすることを目標にファイナンシャルプランナーとなることを決意。現在は個人の相談業務・執筆活動を行っている。