リバースモーゲージはなぜやばいと言われる?リスクや上手に利用するためのポイントを解説
2024年04月03日
「リバースモーゲージ」と呼ばれる、高齢者向けの金融商品をご存じでしょうか。審査に通過しにくい高齢者でも融資を受けやすい融資制度ですが、さまざまなリスクがあるため「やばい」と言われることが少なくありません。
そこで本記事では、リバースモーゲージがやばいと言われる理由やリスク、上手に利用するためのポイントなどを解説します。この記事を読めば、リバースモーゲージの何が問題で、上手に活用するにはどのようにすればよいかがわかるでしょう。
リバースモーゲージとは
リバースモーゲージとは、担保にした自宅に住みながら生活資金などを借りられる制度です。自宅の評価額を基準とした融資枠の範囲内で、お金を借りられます。
借入方式は、毎月定額を年金のように受け取る年金方式、契約時に融資限度額を全額受け取る一括方式、融資限度額内で必要に応じた金額を都度借りられる極度額方式の3つがあります。
自宅は担保になるものの、そのまま住み続けられるうえに、契約者が存命中であれば元金を返済しなくてよい点が特徴です。利息についても、毎月返済する契約と返済しない契約に分かれます。どちらの契約も、契約者が亡くなると担保物件が売却されて元金の返済が完了しますが、後者ではそれまで返済していなかった利息を合わせて支払わなければなりません。
リバースモーゲージには、自治体などが取り扱う公的なものと民間金融機関が取り扱うものがあります。公的なものは高齢者の自立支援を目的に行なわれており、正式名称は「不動産担保生活資金」です。
一般的に「やばい」と言われるのは民間金融機関が取り扱う「リバースモーゲージ型住宅ローン」と呼ばれているものです。本記事では、民間金融機関が取り扱う「リバースモーゲージ型住宅ローン」を「リバースモーゲージ」として解説します。
リバースモーゲージがやばいと言われる理由
リバースモーゲージは自宅に住みながら生活資金を借りられ、契約者が存命中であれば元金を返済しなくてよいなど、メリットが多く感じられる制度ですが、デメリットもあります。
契約内容によりますが、契約者が亡くなって担保物件を売却した際、担保物件の売却金額が借入金(元金+利息)の残高に足りなければ、法定相続人が返済を肩代わりしなければなりません。また、金利上昇リスクなどにより、存命中に思わぬ出費を強いられるケースもあります。
また、契約者が死亡して返済義務が遺族に移り、自宅から追い出されるといった状況に追い込まれることも考えられます。
これらが「リバースモーゲージがやばい」と言われる理由です。
リバースモーゲージのリスク
「リバースモーゲージがやばい」と言われるのは、以下のように複数のリスクがあるからです。ここでは、代表的なリスクを4つ取り上げて解説します。
金利上昇リスク
リバースモーゲージの多くは、変動金利制です。変動金利制では、金利が上昇すると毎月の返済額が増えます。
現在、日本では低金利が続いていますが、金利はいつ上昇するかわかりません。特に、利息は複利で増加するため、毎月利息を支払わない契約の場合、年数の経過とともに借入残高が増えていきます。
金利上昇の可能性を含めて返済計画を考えなければ、返済できなくなってしまう事態に陥るおそれがあります。
評価額が低下するリスク
リバースモーゲージでは、一定期間ごとに担保の評価額が見直されます。評価額は融資上限額に直結するものです。すでに限度額上限まで融資を受けている場合、評価額が下がることで限度額を超過してしまい、超過分の一括返済を求められることがあります。
リバースモーゲージにおいて、不動産とは建物+土地を指します。そのため、担保となる不動産がどのような立地にあるかなどは重要なポイントです。特に郊外の物件などは、少子高齢化により人口が減少して評価額が下がるおそれがあります。
長生きによるリスク
契約期間の設定は取り扱う金融機関によって異なり、終身契約と年数に制限のある契約があります。後者では、存命中に契約期間が終了すると借入金の一括返済を求められますが、一括返済ができなければ、担保となった自宅を売却しなければなりません。
自宅を売っても借入金を返済しきれない場合は、自宅を失い借金だけが残ることになります。このようにリバースモーゲージでは、本来なら喜ばしい長生きが大きなリスクになるのです。
家族にも発生するリスク
リバースモーゲージは、契約者本人だけでなく、家族にもリスクが発生するケースがあります。
例えば、契約者が亡くなった際に法定相続人がローンの借り換えを行なうことがありますが、必ずしも審査に通るとは限りません。審査が通らず残債も一括返済できないときは、自宅を売却する必要があります。
また、自宅を売っても借入金を返しきれない場合は、法定相続人が不足分を返済しなければなりません。
リバースモーゲージのメリット
前述したように、リバースモーゲージにはさまざまなリスクがありますが、メリットも存在します。リバースモーゲージのおもなメリットを3つ解説します。
高齢者でも融資を受けやすい
一般的に、高齢者は融資を受けにくいものですが、リバースモーゲージは高齢者を対象とした商品のため融資を受けやすくなっています。また、保証人や保証会社が不要なケースが多い点、住み慣れた自宅を手放さずに担保として利用できる点も高齢者に優しい部分でしょう。
ただし、利用できる年齢に上限や下限が設定されている商品もあるため注意が必要です。
月々の返済額が少ない
一般的なローンの月々の返済額は「元金+利息」ですが、リバースモーゲージの月々の返済額は利息のみの商品が多く、なかには利息も返済不要なものがあります。
元金の返済は契約者の死亡後のため、月々の返済額が負担になりにくく、生活に余裕が生まれやすいでしょう。
用途が幅広い
住宅ローンは借入金の用途が家の取得に限定されますが、リバースモーゲージであれば介護施設への入所金や生活資金など、さまざまな用途で使えます。
ただし、多くの金融機関では、投資や事業資金を用途の対象外としています。そのため、投資資金としての利用を検討している方は、希望する商品の資金用途を事前に確認しておきましょう。また、商品によっては用途が細かく制限されていることもあります。
リバースモーゲージを上手に利用するポイント
さまざまな面からやばいと噂されるリバースモーゲージですが、リスクとメリットを十分に知ったうえで上手に利用すれば、過度に恐れる必要はありません。自身が置かれている状況を念頭に置きつつ、リスク回避に努めましょう。
あらかじめ計画を立てる
リバースモーゲージは、商品によっては融資枠の範囲内までなら追加で借りられます。しかし、無計画に利用していては、すぐに融資限度額に達してしまい、あとは返済に苦労することになるでしょう。
あらかじめ、毎月の使用限度額や使用用途などを決めておけば、リスクを最小限に抑えられます。
金利上昇リスクなどに備える
前述したように、リバースモーゲージは変動金利を採用していることが多く、金利上昇は大きなリスクになります。そのため、将来金利が上がったとしても資金繰りに困らないようにしておく必要があります。
例えば、借入金のうち、いくらかは使わずに手もとに残しておくことなどが考えられます。
法定相続人に迷惑がかからない契約にする
リバースモーゲージには、法定相続人に借入金の返済義務がある「リコース型」と、返済義務のない「ノンリコース型」があります。ノンリコース型はリコース型よりも金利が高くなりますが、法定相続人に迷惑をかけない点では安心です。
いずれにしても、リバースモーゲージの利用前には配偶者や子どもなどの法定相続人とよく話し合いましょう。
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リバースモーゲージは、融資を受けにくい高齢者でもまとまったお金を借りやすいなどのメリットがあります。一方で、金利上昇リスク・評価額下落リスク・長生きするリスクなど、見逃せないデメリットも抱えています。
リバースモーゲージを利用せずに余裕のある老後を過ごすためには、まとまった資産を築いておく必要があります。
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まとめ
リバースモーゲージとは、自宅を担保にして融資を受ける高齢者向けの商品です。
融資後も自宅に住み続けられる、存命中は元金を返済しなくてもよいなどのメリットがありますが、金利上昇リスクや評価額下落リスクなども潜んでいます。そのため、利用の際にはリスクを検討して計画を立てるなど、万が一の際に備えておくことが大切です。
また、老後になってリバースモーゲージに頼らなくても済むように、老後資金を築いておくことをおすすめします。
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■監修者
名前:工藤 裕徳(くどう ゆうとく)
所有資格:特定社会保険労務士、行政書士、1級FP技能士
おもなキャリア:
1989年安田信託銀行(現・みずほ信託銀行)入行、その後、Alico Japanを経て、
2002年大和証券に入社。国際企画部、経営企画部、フィリピン現地法人取締役、上海合弁企業監査役、バンコク駐在員事務所長などを歴任した後、2017年大和証券を退職。
タイの日系企業の財務顧問(CFO)に就任するとともに、2018年3月工藤国際社会保険労務士事務所を設立し、2021年3月に法人化。2023年3月に行政書士事務所を併設。