老人ホームの費用の相場は?費用内訳と補助制度について解説
2024年01月25日
高齢化が進み、身近な人が老人ホームを利用する可能性が高くなっています。実際に老人ホームを利用するには、どの程度の費用がかかるのでしょうか。老人ホームには多くの種類があるため、相場がよくわからないという方は多いでしょう。
本記事では、老人ホームにかかる費用や支払い方法、負担軽減のための制度について解説します。また、入居準備のための資金が必要な方のために、資金を作るための最適な投資方法を紹介します。
老人ホームの費用について理解を深め、資金計画の参考にしてください。
老人ホーム費用の相場
老人ホームの利用にかかる費用には、入居一時金と呼ばれる初期費用と、毎月必要な月額利用料金があり、施設・サービスによって金額が異なります。ここでは、公的施設と民間施設の費用相場を見ていきましょう。
公的施設の平均相場
地方自治体などが運営する公的施設の老人ホームには、代表的なものとして特別養護老人ホームやケアハウスがあります。公的施設は入居一時金が必要ないところも多く、月額利用料金は5万~30万円が相場といえるでしょう。
●特別養護老人ホーム
要介護3以上の人が対象で、介護サービスを受けながら生活できる施設です。利用料金が低額のため、入居待ちになる施設もあります。
入居一時金:0円
月額利用料金:5万~15万円
●ケアハウス
一般型と介護型があり、一般型は健康状態に問題がなく、自宅での一人暮らしに不安がある方が対象の施設です。介護型は要介護の方が対象で、生活支援サービスのほか、介護サービス、安否確認サービスなどが受けられる施設です。
入居一時金:0~数百万円
月額利用料金:7万~30万円
民間施設の平均相場
民間企業などが運営する老人ホームには、グループホーム・住宅型有料老人ホーム・介護付き有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅などがあります。民間施設は事業者によって多彩なサービスが提供されており、費用も低額な施設から高級ホテルのような高額な施設までさまざまです。
●グループホーム
65歳以上で要支援2以上の認知症の方が、少人数で共同生活をする介護施設です。最低限の支援を受けながら自分でできることは行ない、認知症の方も自尊心が保たれる生活ができます。
入居一時金:0~数百万円
月額利用料金:15万~30万円
●住宅型有料老人ホーム
介護度の低い方でも快適に生活できる施設です。介護付き有料老人ホームと似ていますが、介護付き有料老人ホームの介護サービスが定額であるのに対して、こちらの施設はサービスを利用した分だけ支払います。
入居一時金:0~数千万円
月額利用料金:15万~35万円
●介護付き有料老人ホーム
介護スタッフが24時間常駐している施設です。要介護5でも入居可能で、日常生活における介護サービスを受けられます。
入居一時金:0~数千万円
月額利用料金:15万~35万円
●サービス付き高齢者向け住宅
60歳以上から入居可能で、相談員の常駐するバリアフリーの賃貸住宅です。自宅とほぼ変わらない生活ができます。
入居一時金:0~数十万円
月額利用料金:5万~30万円
老人ホーム費用の内訳
老人ホームの費用には、入居時に一括で支払う入居一時金と、毎月支払う月額利用料金があります。それぞれの内訳について見ていきましょう。
入居一時金
入居一時金は、初期償却費と、毎月の利用料金の前払いに相当する部分に分けられます。
初期償却費は、入居一時金の10~30%程度です。老人ホームの事業者に支払い、入居時に償却され、途中で退去しても返還されません。
一方、毎月の利用料金の前払い部分は、利用者の想定居住期間に基づいて算出された額で、毎月の利用料金の一部として償却されます。老人ホームを退去する際、全額償却されていなければ、未償却の部分が返還されます。
公的施設である特別養護老人ホームでは、入居一時金が無料の施設も多いのですが、民間施設では、数十~数百万円の入居一時金が必要となることが多いでしょう。グレードの高い設備やサービスを提供している老人ホームでは、さらに高くなる傾向があり、なかには数千万円かかる施設もあります。
月額利用料金
月額利用料金のおもな内訳は、次のとおりです。
●施設介護サービス費
老人ホームで受ける基本的な介護サービスの費用です。食事・排せつ・入浴などの介助のほか、掃除・洗濯などの生活援助が該当します。公的介護保険が適用されるため、自己負担はあまり大きくありません。
●居住費(賃料)
公的施設の場合は、国が定めた基準費用額に基づき、施設のサービス形態や個室・相部屋などの居住条件をふまえて調整した額になります。また、入居者の収入により、自己負担限度額が定められます。
一方、民間施設の場合は特に基準はなく、立地条件やサービスによって事業者が決定した額となります。
●食費
公的施設の場合は、賃料と同様に基準費用額をもとに決められ、一日につき3食分が請求されます。自己負担限度額も設定されているため、過度に高額になることはないでしょう。
民間施設では、定額制や食事回数分の請求など、施設によってさまざまです。食事のおいしさを訴求している施設では、食事の満足度とともに費用も高くなることがあります。
●管理費
施設の維持・管理するための費用で、共用部のメンテナンスや職員の人件費などに充てられます。
●サービス加算
施設ごとに行なわれている基本的なサービスを超えたサービス、設備、人員配置などに支払う費用です。
●上乗せ介護費
介護保険法における人員配置基準では、入居者3名当たり1名の職員の配置が定められていますが、これを超えて人員配置を行なった場合は、上乗せ介護費として入居者が負担します。上乗せ介護費は施設ごとに異なるため、事前に施設に確認しておきましょう。
●日常生活費
日用品や嗜好品にかかる費用です。なお、公的施設では、おむつ代が公的介護保険でまかなえますが、民間施設では自己負担となることが多いため注意しましょう。
●医療費
健康管理を医療機関の嘱託医に依頼している施設で、ほかの専門医の受診が必要となった際は、医療費がかかります。
老人ホーム費用の支払い方法
老人ホーム費用の支払い方法は、入居一時金と月額利用料金それぞれで、支払う割合をどのように設定するかによって決まります。おもな支払い方法は次の3つです。
全額前払い
入居してから退去するまでにかかる費用を、入居時に一括して前払いする方法です。一度支払うと、以降の経済的な不安はありませんが、最初にまとまった額の資金が必要となります。
一部前払い
退去までに必要な額の一部を前払いし、残りは月額利用料金として支払う方法です。最初にある程度の資金が必要で、支払い総額が前述の全額前払いより高くなる場合もありますが、後述の月払いより毎月の負担を少なくできます。
月払い
入居一時金は用意せずに、全額を月額利用料金として支払う方法です。まとまった資金が不要で、短期的な利用に向いているため、特別養護老人ホームの入居待ち対策として利用しやすいでしょう。また、入居中に月額利用料金の値下げがあった場合は、前述の全額前払いより安く利用できます。ただし、月額利用料金の値上げがあった場合は、毎月の負担が大きくなります。
老人ホーム費用は年金だけでは払えない?
老人ホームを利用する際に、年金だけで利用できるか気になる方は多いでしょう。
日本年金機構によると、2023(令和5)年4月以降の67歳以下の年金受給月額は、国民年金(老齢基礎年金満額)で6万6,250円、厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)で22万4,482円となっています。なお、1人分の厚生年金の受給月額は、2021(令和3年)度で14万5,665円(老齢基礎年金含む)です。
支払い方法にもよりますが、老人ホームを利用するには、費用面で次の条件を満たす必要があります。
●入居一時金が準備できているか、入居一時金がない老人ホームを対象とする
●月額利用料金が年金受給月額以内である
入居一時金が準備できているか、または入居一時金がない老人ホームを対象として、厚生年金受給者であれば、年金だけで老人ホームに入居することは可能でしょう。特に、都心部を離れれば、入居の可能性は高くなります。しかし、国民年金のみの受給額で、老人ホームに入居するのは難しいでしょう。
費用面で入居しやすい公的施設は、特別養護老人ホームです。ただし、特別養護老人ホームは入居待ちが多く、その間の生活をどうするかなどの問題もあります。
また、実際の老人ホームでの生活では、月額利用料金に含まれない費用も発生します。月額利用料金の安い施設が見つかっても、費用内訳の確認は十分に行なうことをおすすめします。
老人ホーム費用を軽減できる補助制度
年金だけで老人ホームに入居するのが難しい場合、費用負担を軽減する制度を活用しましょう。利用できるおもな補助制度は次の5つです。
医療費控除
医療費控除とは、1年間で定められた金額以上の医療費がかかった場合に、超過した分を所得から差し引いて、課税対象額を減らせる制度です。
特別養護老人ホームや介護老人保健施設など、公的介護保険が適用される施設では、医療費・介護保険サービス費・食費・居住費・おむつ代が医療費控除の対象となります。
高額介護サービス費支給制度
高額介護サービス費支給制度とは、利用した介護保険サービスの費用が月々の上限額を超えた場合に、超過分が払い戻される制度です。月々の上限額は、所得などに応じて定められています。
施設の居住費や食費、生活費などは対象外となるため注意しましょう。
介護保険施設の特別減額措置
介護保険施設の特別減額措置とは、介護保険施設に入居している方で、長期的に見て施設への支払いが困難な場合、食費・居住費が減額される制度です。対象者は所得や貯金額によって決まり、自治体から「介護保険負担限度額認定証」が発行されると、この措置を受けられます。
利用者負担軽減措置
利用者負担軽減措置とは、施設を運営する社会福祉法人が、自治体に利用者負担軽減制度の活用を申告している場合、経済的に困窮していると認められた利用者について、介護費用負担額の25%が減額される制度です。この制度が利用可能な施設かどうか、自治体の福祉関連窓口などで事前に確認しておくとよいでしょう。
市区町村・自治体の独自サポート
これらのほかに、各自治体が独自に、老人ホームなどの介護施設利用者の負担を軽減する措置を用意しています。特に、所得の低い方や預貯金が少ない方に役立つ、次のようなサポートがあります。
●家族介護慰労金
1年間介護サービスの利用や医療機関への入院をしていない要介護者を、在宅で介護する家族に対して、年間10万円が支給される制度です。支給条件は自治体によって異なります。
●介護保険サービス利用者負担助成制度
生活保護を受けていないなど所定の条件を満たした方が、訪問介護や訪問看護などのサービスを利用した場合に、負担額が通常よりも減額される制度です。
老後に向けた資産形成
ここまでお伝えしたように老人ホームを利用するとなった場合、多額の支払いが必要になる場合があります。そこで事前に老後に向けた資産形成を行っておくのが良いでしょう。
投資には株式・債券・投資信託・不動産など様々な投資がありますが、資産形成においては分散投資を行うことが有効です。分散投資を行うことで、リスクを分散させつつ、資産形成を進めることができます。
その中でも不動産投資は、管理する物件に入居し続けてくれれば、長期的に家賃収入を得られる可能性があり、ミドルリターンを狙うことができます。しかし、現物不動産を購入する場合は、物件購入など多額の費用が必要となってくる場合があります。
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まとめ
老人ホームには、公的施設と民間施設があります。一般的に、民間施設のほうが多彩なサービスを展開しており、費用も高い傾向です。また、民間施設では入居一時金が必要な場合も多く、年金収入だけでは入居やその先の生活は難しいでしょう。
時間的にある程度の余裕を持って入居の準備ができる方には、不動産投資クラウドファンディング「COZUCHI」をおすすめします。少額からの投資が可能で、プロに運用を任せることができる投資初心者でもはじめやすい投資なので、老後の資産形成として検討してみてはいかがでしょうか。
【監修者】
氏名:太田 照明
保有資格:損害保険トータルプランナー、生命保険協会認定FP、CFP、1級FP技能士
主なキャリア:大学を卒業後、自動車と外食産業の営業を経験し、その後保険業界へ。