サブリースとは? 仕組みやメリット・デメリット・契約時の注意点を解説

2024年01月25日

サブリースといえば、トラブルが多いという印象を持っている方もいるのではないでしょうか。

たしかに、サブリースに関するトラブルが発生しているのは事実ですが、サブリースがすべて悪いわけではありません。物件によってはサブリース契約が適していることもあるでしょう。

そこで今回は、サブリースの仕組みやメリット・デメリット・契約の注意点などを解説します。

サブリースとは? サブリースの仕組みと種類

まずは、サブリースの仕組みと種類について解説します。

サブリースの仕組み

サブリースとは、サブリース業者がオーナーから一括で借り上げた不動産を、第三者に貸し出す仕組みです。「又貸し」「転貸し」などと呼ばれることもあります。

オーナーは業者から空室の有無に関係なく、満室賃料の80~90%をサブリース賃料として受け取れます。空室がある場合でも賃料が保証されるほか、管理の手間が省けることなどがメリットです。

なお、不動産オーナーと業者との契約を「マスターリース契約」、業者と入居者との契約を「サブリース契約」と呼びます。

サブリースの種類

サブリースには「賃料固定型(家賃保証型)」と「実績賃料連動型(パススルー型)」の2種類があります。

賃料固定型とは、入居状況を問わず、業者からオーナーに一定の賃料が支払われるものです。一般的にサブリースというと、この賃料固定型を指すことが多いでしょう。

実績賃料連動型は家賃保証がなく、実際に入居者から得られた賃料によって、オーナーが受け取れる収入も変動します。実績賃料連動型は一部のみで行なわれ、それほど一般的ではありません。

この2つを単純に比較すると、「収入が保証される賃料固定型のほうが良いのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、保証率(サブリース賃料)が異なる点に注意が必要です。

家賃保証型の保証率は80~90%であるのに対し、実績賃料連動型は90~95%と家賃保証がない分保証率が高めに設定されています。

サブリースと管理委託の違い

サブリースと似た仕組みとして、管理委託があります。それぞれの違いを下表にまとめました。

サブリース

管理委託

家賃保証 あり なし
手数料 賃料の10~20%      賃料の5%前後      
入居者との契約 業者 オーナー
更新料・礼金 業者が受け取る オーナーが受け取る 
建物管理 業者が対応 管理会社が対応
家賃滞納があった時   業者が対応 オーナー対応が多い  

管理委託の場合、入居者との契約はオーナーとの間で行なわれます。また、管理委託では家賃保証がないため、入居者がいなければ家賃収入は得られません。

その代わり、サブリースでの手数料が賃料の10~20%であるのに対し、管理委託では手数料が賃料の5%前後に抑えられます。ほかにも、サブリースでは更新料や礼金は業者が受け取るのに対して、管理委託の場合はオーナーが受け取れる、という違いがあります。

このように、サブリースと管理委託とではそれぞれに一長一短があるため、物件の環境などによって有利なほうを選択する必要があるでしょう。

サブリースのメリット・デメリット

サブリースにはメリットもあればデメリットもあります。それぞれについて、詳しく説明します。

サブリースのメリット

サブリースの大きなメリットは、入居者がいない場合でも賃料が保証されることです。保証される賃料は契約によって異なり、実際の家賃の80~90%程度が多いとされています。

また、物件を管理する手間が省けることもメリットです。管理委託の場合、建物管理は管理会社に任せられるものの入居者トラブルはオーナー対応が多く、管理の手間が必要です。

しかし、サブリースでは入居者トラブルを含めた管理を、すべて業者に任せられます。入居者とのやり取りはすべて業者が行なうため、オーナーが対応する必要はありません。

また、サブリースを利用すれば、相続税を抑えられます。賃貸物件のような借地権のある建物は、相続の際には不動産評価額に対して一定の借地権割合が控除されますが、相続時に満室にならないとメリットが小さい場合があります。その点、サブリースであれば満室扱いになるため、控除を最大限利用することが可能です。

サブリースのデメリット

一方で、サブリースにはデメリットもあります。サブリースで支払われる賃料は、実際の賃料から手数料を10~20%除いたものです。そのため、実際に満室になった場合は、サブリースの場合は家賃収入が減ってしまいます。

また、賃料が保証される期間は永久ではないことにも注意しましょう。一般的には、数年ごとに賃料の見直しが行なわれますが、不動産物件は年数がたつごとに入居率が減少する傾向にあります。そのため、見直しの際に賃料の減額が要求される可能性は高いでしょう。

管理をすべて業者に任せることも、デメリットになる場合があります。入居者との契約は業者が行なうため、オーナーは入居者を選べません。もしも業者が入居審査を甘くしていたら、近隣トラブルを起こすような人物が入居する可能性もあります。

また、修繕やリフォームなどの大きな出費は、オーナー負担となることが少なくありません。サブリースではオーナーが修繕業者を選択できないため、費用が割高になる可能性があります。

業者が倒産するリスクもあることも、把握しておきましょう。業者が倒産した場合は、オーナーが契約を引き継ぎますが、敷金が回収できないなどのトラブルが発生する可能性があります。

サブリースする際の注意点

サブリースは、契約方法や契約内容によって、トラブルに発展する可能性があります。利用する際に注意すべきポイントを、3つ解説します。

メリットだけでなくデメリットも把握しておく

サブリース業者は家賃保証を売りにしていることが多く、契約当初は賃料も良い金額を提示されるでしょう。しかし、基本的に不動産物件は年数経過とともに入居率が下がるため、賃料も下がる可能性が高いといえます。

このように、サブリースにはメリットだけではなくデメリットもあります。デメリットも把握したうえでリスクが許容できるのか、キャッシュフローなどに問題はないかをオーナー自身で調べておくことが大切です。

2020年に制定された「賃貸住宅の管理業務などの適正化に関する法律(通称サブリース新法)」では、以下の項目が義務付けられています。

●誇大広告の禁止
●不当な勧誘の禁止
●契約締結前の重要事項説明

このようにサブリース新法では、業者の義務としてメリットだけでなくデメリットも説明する必要があるとしています。メリットだけを強調して、デメリットの説明があいまいな業者は、誇大広告を行なっている可能性があります。そのような業者とは契約しないようにしましょう。

キャッシュフローを確認する

サブリースは、物件によって向き不向きがあります。例えば、入居率の高い物件はサブリースにより、かえって収入が減る可能性もあるでしょう。また、契約費や修繕費などの支出を考えると、他の管理方法のほうが適している場合もあります。

サブリースを選択するかどうかは、サブリースにした場合のキャッシュフローを確認することがおすすめです。キャッシュフローを確認して赤字が出る場合は、他の管理方法も考えたほうがよいでしょう。

契約内容を確認する

先述したように、サブリース新法では、契約前の重要事項説明が必要です。契約の際は、オーナー自身も保証賃料・免責期間・解約条件など、重要な内容をよく確認することが大切です。

契約内容に疑問を感じる点があれば、契約前に解消しておきましょう。その際に説明を怠ったり、あいまいな説明をしたりする業者との契約はおすすめしません。

また、重要事項の説明を受けて問題がなかったとしても、サブリース契約は借地借家法の制約を受けます。賃料の減額や契約期間中の解約などが起きる可能性があることも、熟知しておく必要があるでしょう。

サブリースは業者選びが重要!業者選びのポイント

これまで説明したように、サブリースにはデメリットもあるため、優良な業者を選ぶことが大切です。業者を選ぶポイントとして、以下の6項目をよく確認しておきましょう。

●保証賃料
年数経過とともに賃料は見直される可能性が高いため、契約当初の賃料だけでなく将来の下落も見すえて判断する必要があります。
●広告・原状回復費
原状回復費は特に高額になる場合が多いことから、どちらが負担をするのかよく確認しておきましょう。オーナーが負担する場合は、これらの費用も含めたキャッシュフローを考える必要があります。
家賃保証率の見直し期間
業者が過去に行なった保証率見直しの実績を確認しておけば、将来の収入を予測しやすくなるでしょう。
●免責期間
免責期間とは、業者が賃料を保証しなくても良い期間です。入居者が決まるまでにとられる措置ですが、期間が長すぎないかを確認しておきましょう。
●解約条件
サブリース契約は借地借家法が適用され、オーナーが貸主で業者が借主という立場になります。借地借家法では借主の立場が強く、業者側からは解約が簡単である反面、オーナー側からは簡単に解約できません。そのため、解約の条件がどのようなものか、あらかじめ確認しておきましょう。
●実績・信頼性
サブリースのトラブルは実際にいくつか発生しており、なかには悪徳業者がいる可能性もあります。実績や信頼性を確認して、優良な業者と契約しましょう。

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サブリース契約は、賃料保証がされる点や管理を業者にすべて任せられる点が魅力です。一方で、不動産物件は経過年数とともに入居率が下がる傾向にあるため、賃料を減額されたり途中で契約を打ち切られたりする可能性もあります。
また現物不動産投資には、不動産投資ローンを組む場合が多く、物件の運用状況によっては、賃料が減額することでキャッシュフローが赤字になる可能性もあります。
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まとめ

サブリースは実際にトラブルも発生していますが、すべてが悪いわけではありません。なかには、サブリースが適している物件もあります。

ただし、トラブルを起こす業者は存在するため、契約の際には業者選びや契約内容の確認などに注意が必要です。

そうしたことから、サブリースは初心者向けの投資方法とは言いがたいでしょう。不動産投資を始めたい方は、少額から始められる不動産投資クラウドファンディングがおすすめです。不動産投資クラウドファンディングサービスである「COZUCHI」の利用を、ぜひご検討ください。

【監修者】

名前:金子 賢司
東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はジャザサイズ。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信している。
保有資格:CFP