「投資信託はおすすめしない」と言われることがある理由|向いている人・いない人の違いとは
2024年11月04日
「投資信託はおすすめしない」「投資信託はおすすめ」という2つの意見を見かけたことのある方も多いのではないでしょうか。どちらにも根拠はありますが、「結局、どうしたらいいのかわからない」と悩んでいる方もいるでしょう。
この記事では、「投資信託はやめたほうがいい」と言われることがある理由や、投資信託での運用に向いている人・向いていない人の特徴を紹介します。投資信託での運用をしようか迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
また本記事の後半では、資産形成の方法の一つとして不動産投資クラウドファンディング「COZUCHI」についても紹介しています。
COZUCHIは1万円からプロが厳選した不動産に投資が可能なサービスです!サービス開始以来、元本割れもございません。※2024年10月末時点
まずはCOZUCHIについて知りたいという方はこちらをチェック
投資信託の基本的な仕組み
投資信託とは、投資家から集めた資金を運用の専門家(ファンドマネージャー)が株式、債券などに投資して運用する金融商品のことです。運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みです。
投資する金額やその対象は、投資信託の運用方針によってさまざまです。
投資信託では、「販売会社」「信託銀行」「運用会社」の3つの会社が深く関わっています。
「販売会社」は投資家へ投資信託を販売し、資金を集める役割を果たします。銀行や証券会社などが代表的な例です。投資家から集めた資金は、「信託銀行」で保管・管理されます。
そして「運用会社」は、どこにどの程度の額を投資するかを「信託銀行」に指示する役割を持ちます。「運用会社」では資金を管理していないため直接投資することはできず、「信託銀行」は「運用会社」の指示なしに株式などを売買することはできません。
運用成果が出ると、信託銀行から販売会社へ分配金・償還金が渡り、各投資家に分配されます。
このように投資信託は、3つの会社が関わっていることで、いずれかが破綻しても投資家の資金が守られるような構造になっています。
投資信託はおすすめしない・やめたほうがいいと言われることがある理由
「投資信託がおすすめ」という意見を見る一方で「投資信託はやめたほうがいい」という意見を見る方も多いでしょう。
では、なぜ投資信託はやめたほうがいいと言われることがあるのか、その理由として考えられるのは以下の4つです。
元本が保証されない
投資信託は、元本が保証されません。投資信託で組み入れる株式や債券は日々値動きしており、運用成績によって利益が出ることもあれば、損失が出ることもあります。金融商品の価格はさまざまな原因によって変動するため、運用の専門家でも確実に利益を得られるとは言えません。
状況によっては、運用額を下回る元本割れが起こる可能性もあります。
運用期間中も手数料が発生する
投資信託のおもな手数料は、「購入時手数料」「信託財産留保額」「信託報酬」の3つです。「購入時手数料」は投資信託の購入時に支払うもので、ない場合もあります。「信託財産留保額」は投資信託の換金時に差し引かれますが、投資信託によっては差し引かれません。「信託報酬」は運用期間中ずっと支払い続けなければならない運用管理費用です。
この「信託報酬」は日割りで計算されており、信託財産(投資信託ごとに投資家の資金をまとめたもの)から毎日徴収されます。運用期間が長いほど、支払う手数料の額も大きくなるでしょう。
短期間で利益を得るのは難しい
投資信託は、投資対象や購入時期などを分散させる分散投資が基本です。1つの投資対象の価格が下がっても大損する可能性は低いですが、逆にいうと1つの投資対象の価格が上がっても大きな利益につながりにくいといえます。
そのため、短期間で利益を得るのは難しいでしょう。投資信託は、長期的な運用が向いている金融商品です。
商品数が多すぎて多く自分に合ったものを見つけるのが大変
投資信託は商品の数が膨大で、自分に合ったものを見つけるのが大変な点も、おすすめされない理由の一つといえます。特に投資信託初心者の方は、最適なものを見つけるまでに時間がかかるでしょう。
銀行や証券会社から投資信託を紹介してもらえる場合もありますが、勧められるがまま購入するのは避けたほうが無難でしょう。販売会社側に利益が入るよう、手数料が高めに設定されているものをおすすめされるケースがあるからです。
必ずしもそうとはいいきれないものの、商品選びは慎重になったほうが失敗は少ないでしょう。
投資信託に向いている人・向いていない人
投資信託に向いている人・向いていない人は以下のとおりです。投資信託を始めようか迷っている方は、参考にしてみてください。
・投資初心者の方
・少額から資産運用を始めたい方
・中長期で利益を狙いたい方
・分散投資をしたい方
・短期的に利益を狙いたい方
・銘柄を自分で選びたい方
・資金に余裕がない方
投資信託は自分の代わりに専門家が運用してくれます。商品の選定や世界情勢を踏まえた調整などを細かく行なう必要がないため、投資初心者もチャレンジしやすいでしょう。100円や1,000円の少額から始められる商品があるのも良い点です。
しかし投資信託では分散投資を基本とするため、株式などと比べて短期的に利益を得るのは向いていない投資手法困難です。元本割れのリスクもあるため、十分な預貯金がない方は避けたほうが良いかもしれません。
投資信託初心者には向いていない商品の特徴
投資信託の数は数千本にものぼるため、どれを購入すべきか迷ってしまいやすいです。そこでここでは、投資信託初心者には向いていない商品の特徴を紹介します。
毎月分配型のもの
毎月分配型とは、1ヵ月ごとに決算が行なわれ、一定の分配金を毎月受け取れる投資信託のことです。分配金には、以下の2種類があります。
・元本払戻金(特別分配金):基準価額が個別元本を下回った場合、投資家から集めた資金から支払われる分配金
元本払戻金の場合は、投資した元本の一部を払い戻す形になります。こまめに利益を得られるのは魅力的に感じるかもしれませんが、毎月分配型は元本が目減りする可能性があり、利益が利益を生む複利効果も得られないため注意が必要です。
また、普通分配金は受け取るたびに税金がかかり、以降の投資効率が悪くなるというデメリットもあります。
手数料が高いもの
手数料が高い投資信託は、得られるリターンが小さくなってしまうため、なるべく避けたほうがよいでしょう。
「購入時手数料」や「信託報酬」、「信託財産留保額」といった手数料がいくらになるかは、目論見書(投資信託説明書)などで確認できます。商品によって手数料の金額にかなり差が生まれることもあるため、事前に調べておくのが重要です。
購入時手数料がかからない投資信託(ノーロードファンド)を選ぶのもおすすめです。
テーマ型の投資信託
AIや自動運転など、特定のテーマに絞って集中投資するものを「テーマ型の投資信託」と呼びます。この場合、テーマが注目されている期間は大きな利益を期待できるものの、人気がなくなると一気に下落するおそれがあります。
場合によっては、運用が打ち切られることもあるでしょう。
投資信託初心者の方にとって、テーマ型の投資信託は購入と利益確定のタイミングが難しいものといえます。
アクティブファンド
投資信託の運用方法は、インデックスファンドとアクティブファンドに大きく分けられます。
・アクティブファンド:日経平均株価などの指数を上回る成果を目指す
このうちアクティブファンドは、ファンドマネージャーが企業へ訪問するなどさまざまなデータを調査したうえで、投資する銘柄を決定します。そのため指数を超える大きなリターンを期待できますが、調査に手間がかかる分、手数料が高いというデメリットもあります。
ファンドラップ
ファンドラップとは、投資家の希望をもとにプロが銘柄の選定・売買を行い、管理まで一任できる投資サービスです。大手証券会社におけるファンドラップの最低投資額は300万円以上に設定されていることが多いため、資産が少ない方や投資信託初心者の方にはハードルが高いでしょう。
資産運用をプロに一任する分、手数料も高めです。
ただし、会社によっては1万円程度から始められるファンドラップを提供しているところもあります。気になる方は、手数料なども確認したうえで検討してみてください。
投資信託を始める際の注意点
リスクを抑えつつ上手に運用していくには、長期間続ける「長期投資」・一定期間ごとにコツコツ投資する「積立投資」・投資対象を分散させる「分散投資」を意識することが重要です。
しかし、それ以外にもいくつか気を付けなければならない点があります。ここでは、投資信託を始める際の注意点を3つ解説します。
投資信託をする目的と目標金額を決める
投資信託を始める際は、その目的と目標金額を決めておくのが大切です。「65歳までに2,000万円を貯める」「子どもが成人するまでに1,000万円貯める」と具体的な数字を設定しておくことで、毎月積み立てる金額や取るべきリスクなどが明確になります。
反対に「お金を増やしたい」という漠然とした目的だけでは、どの投資信託を選べばいいか迷いやすく、モチベーションにもつながりにくいでしょう。
毎月の積立額は、各社のシミュレーションサービスを利用すると簡単にわかります。
起こりうるリスクを把握しておく
投資にはどうしてもリスクが伴います。そのため、起こりうるリスクを事前にきちんと把握したうえで運用しましょう。リスクの大きさは、運用先を決める際の判断材料にもなります。
投資信託で起こりうるおもなリスクは以下のとおりです。
・為替変動リスク:為替レートの変動により、外国通貨建ての資産価値が変動するリスク
・金利変動リスク:金利変動により、資産価値が変動するリスク
・信用(デフォルト)リスク:財政難や経営破綻により、利益や元本などが受け取れなくなるリスク
過去の運用実績を確認する
投資先を決める際は、過去の運用実績を確認することも忘れないようにしましょう。長く運用している歴史がある、かつ純資産総額が右肩上がりに増えているところは、運用が上手な可能性が高いと考えられます。
ただし、景気が良い時期は運用成績も良くなります。景気が悪い時期も含めた長期間で、右肩上がりになっているかをチェックするのがポイントです。
また、投資信託は長期保有が基本ですが、急な価格変動にも気付けるよう、定期的に値動きをチェックし価格を把握しておくのがよいでしょう。
日々の値動きが気にならない投資なら不動産投資クラウドファンディングがおすすめ
投資信託と同様にプロに運用を任せることができ、分散投資先としておすすめなのが、不動産投資クラドファンディングです。
不動産投資クラウドファンディングとは、インターネット上で投資家から資金を集め、その資金で事業者が不動産を取得・運用するサービスです。運用から得られた利益は、投資家の投資額に応じて分配されます。
投資信託との大きな違いは、日々の価格変動がないことです。不動産は、投資信託や株式と違い、日々の値動きがないので価格に一喜一憂することなく運用し続けることができます。
物件の選定や手続き、日々の管理もすべてプロが担当するため、投資初心者の方でも気軽に不動産投資を始められるでしょう。
また、COZUCHIでは、1万円から始められる短期運用型と、10万円から始められる中長期運用型の2つのサービスを提供しています。いずれもプロに運用を任せられるため「将来のために何か始めたい」「うまく資産運用していけるか不安」という方は、ぜひご利用を検討してみてください。
まとめ
「投資信託はおすすめしない」と言われることがある理由として、元本が保証されない、運用期間中も手数料が発生するなどの点が挙げられます。しかし、投資信託自体が悪というわけではありません。少額から資産運用を始めたい方や長期的にコツコツ運用できる方には向いている方法といえます。
ただし投資信託初心者の場合は、気を付けるべき商品がいくつかあります。自分の目標金額や許容できるリスクの範囲を確認しつつ、最適な商品を見つけましょう。
また、投資信託の分散投資先として、日々の値動きがない不動産投資クラウドファンディングの「COZUCHI」の利用を検討するのもよいでしょう。
■監修者
名前:八木 満里子(やぎ まりこ)
所有資格:日本証券アナリスト協会認定アナリスト、日本FP協会認定AFP、日本証券業協会一種外務員資格、消費生活アドバイザー
おもなキャリア:
地方銀行で通算21年間勤務、おもに市場リスク管理を担当。
その後、コンプライアンス意識の高さと金融関連資格を強みに金融系ライターとして活動中。
2024年より、一般社団法人日本金融教育支援機構認定講師。