サラリーマンが不動産投資でカモにされやすい理由と対策を紹介
2024年04月03日
サラリーマンとして働きながら、不動産投資で副収入を得ようと考える人も多いのではないでしょうか。不動産投資には生命保険代わりになるような効果や、年金対策といったメリットがありますが、サラリーマンは業者のカモになりやすいともいわれるため注意が必要です。
そこで今回は、サラリーマンがカモになりやすい理由をはじめ、カモになった事例や対策についてご紹介します。
しっかりと対策すれば投資リスクも軽減できるため、ぜひ参考にしてみてください。
サラリーマンが不動産投資でカモにされやすい理由
サラリーマンが不動産投資でカモにされやすいのは、不動産投資のある傾向が理由です。特に不動産投資の知識がない人ほどカモにされるリスクも高くなるため注意しましょう。
ローン審査に通りやすい
一般的に、サラリーマンは毎月安定した収入が見込めるため、ローン審査に通りやすい傾向があります。また、物件価格が少額な場合、サラリーマンは金融機関に評価されやすい属性でもあるため、サラリーマンは不動産の購入が比較的容易なのです。
そのため、サラリーマンをその気にさせれば物件を購入してくれる可能性が高く、不動産会社に利用されやすくなります。
不動産会社にすべてを任せがち
不動産投資では、物件の選定やレントロールの確認、収支計画の検討など、投資家自身の頭で考え、判断しなければならない場面が多々あります。しかし、サラリーマンは「本業が忙しい」「難しいことはよくわからない」などの理由から、投資判断を不動産会社に委ねてしまうケースも少なくありません。そうなれば、不動産会社がやりやすいように運用されてしまってもおかしくありません。
不動産投資や税務などの知識が乏しい
不動産投資は、不動産そのものや法律、税務など幅広い知識が必要となりますが、不動産投資で副収入を得ようと考えるサラリーマンは、不動産投資に関する知識や情報が不足しているケースも少なくありません。それでも、不動産投資は物件探しから管理運営まですべてサポートしてもらえるため、「知識がなくても大丈夫」と思っているサラリーマンが多い傾向です。それゆえ、不動産投資会社に言われるまま物件購入や管理を行ない、思うような結果が得られないケースも少なくありません。
サラリーマンは基本的に年末調整という形で会社が税務を代わりに行なってくれます。税務などの知識や自分で稼ぐ意識が乏しい点もカモにされやすい理由といえるでしょう。
不動産投資でカモにされたサラリーマンの事例
サラリーマンが不動産投資でカモにされるケースは多々あり、その状況もさまざまです。ここでは、実際にカモにされてしまったサラリーマンの事例をご紹介します。
オーナーチェンジ物件で入居者が一斉に退去
オーナーチェンジ物件とは、入居者の賃料収入や各種権利、義務などはそのまま引き継ぎ所有権のみ移転する物件のことをいいます。一般的に、すでに入居者がいる状態で引き継がれるため、物件購入後すぐに家賃収入を得られるのが大きな魅力です。
あるサラリーマンは、不動産会社が売り主となっているオーナーチェンジ物件を購入しました。物件は満室のアパートだったため、購入後しばらくは安定した家賃収入がありました。しかし、ある時期から入居者が一斉に退去してしまい、家賃収入が激減。次の入居者を見つけるために大幅なコストが必要となりました。
当初の入居者は、満室に見せるために不動産会社が用意したサクラで、実際には入居者のいないアパートを購入させられたのです。
高額な築古物件を売りつけられる
築古物件は物件価格が低額になりやすいため、表面利回りが高くなる傾向があります。しかし、物件が古いため修繕費が高額になるケースも少なくありません。また、表面利回りでは修繕コストが考慮されていないため、実際の利回りはさらに低くなります。
あるサラリーマンは、表面利回りが高いから収益が見込めると思い、築古物件を購入しました。のちに高額な修繕費が必要となったほか、実際の利回りも低く、期待した収益は得られませんでした。
相場より少額の家賃保証で契約させられる
不動産会社や物件によっては、サブリース契約で家賃保証を受けることができます。サブリースとは、不動産会社がオーナーの物件を一括で借り上げ、入居者に転貸するシステムです。
例えば、不動産投資物件をサブリース契約した場合、入居者は不動産会社に家賃を払い、そのうち8割程度がオーナーに支払われます。そのため通常の家賃収入より少なくなりますが、空室になっても継続的に家賃収入を得られるというメリットもあります。
一般的に家賃保証は家賃の8~9割が相場とされているなか、あるサラリーマンは、家賃の5割ほどの家賃保証で契約をしてしまいました。サブリースの知識がなかったため、不動産会社の誘い文句に乗せられて、相場よりも安い金額で了承してしまったのです。
新築ワンルームマンションへの投資
新築ワンルームマンションの投資とは、新築マンションの一室を購入して運用するものです。ワンルームマンションに限らず、不動産投資全般に言えることですが、ローンを組んで分割で購入することで初期費用が抑えられることも大きな魅力です。そのためサラリーマンや投資初心者に人気ですが、カモにされるケースも多くなります。
あるサラリーマンは、「頭金ゼロ」「年金対策になる」「生命保険効果が得られる」などのメリットをうたう営業トークから、新築マンションの一室を購入。しかし、実際には物件価格に対する利回りが低く、管理委託費や修繕費など差し引くとほとんど収益がでない状態でした。不動産業者の営業トークに丸め込まれ、条件の悪い物件を購入してしまったのです。
サラリーマンが不動産投資でカモにされないための対策
事前に対策をすることで不動産投資に関するトラブルを回避しやすくなります。ここでは、サラリーマンがカモにされないための具体的な対策をご紹介します。
不動産投資について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
【初心者必見】現物不動産投資とは?仕組みやメリット・デメリットについてわかりやすく解説
不動産投資に関する知識を身に付ける
不動産投資でカモにされるのを防ぐには、不動産投資の知識を身に付けることが重要です。学ぶべき知識は不動産投資の仕組みをはじめ、資金計画の立て方、物件・不動産会社の選び方、利回りの計算方法、税金など、多岐にわたります。そのため簡単なことではありませんが、知識を付けることで不動産会社の営業トークに惑わされずに済むほか、自分で投資判断ができるようにもなります。
不動産投資のメリットとデメリットを理解する
不動産投資には大きなメリットがあり、ほとんどの人はメリットに惹かれて不動産投資を始めます。しかし、当然ながらデメリットもあり、デメリットを理解していない人ほどカモにされやすくなります。カモにされないためには、メリットとデメリットをしっかりと把握したうえで、自分でリスクコントロールをすることが重要です。
<不動産投資のおもなメリット>
・生命保険効果が得られる(団信がつく場合に限る)
・年金対策になる
・レバレッジ効果が高い
・インフレ対策になる など
<不動産投資のおもなデメリット>
・空室や家賃滞納の発生
・売却価格の低下
・金利の上昇
・災害 など
具体的な目標を持つ
不動産投資では目標を持つことも重要です。漠然とした理由やなんとなくで始めてしまうと、不動産会社にいいように利用されてしまうほか、トラブルなどの重要なシーンで判断を誤る可能性があります。そのため、月々のキャッシュフローの目標額を決める、いつまでにどのぐらいの利益を目指すなど、目標の具体化が大切です。
また、節税や相続対策など、投資によって実現できるメリットに着目することもよいでしょう。
信頼できる不動産会社を選ぶ
不動産投資の成功は、不動産会社次第といっても過言ではありません。不動産会社は経営のパートナーとなるため、信頼できる会社を選び、信頼関係を築ければ、とても頼りになる存在となります。逆に、説明やサポートが不十分であったり、自社の利益を最優先に考えていたりする不動産会社を選んでしまうと、カモにされてしまうため注意が必要です。
<信頼できる不動産会社を選ぶポイント>
・リスクについて説明してくれるか
・売買取引の実績が豊富か
・購入後のサポート体制が充実しているか など
<注意すべきポイント>
・これまでに行政処分を科せられていないか
・あからさまなおとり広告を使っていないか
・迷っているときに、購入を急かしてこないか など
少額から始める
これまで不動産投資を始めるにまとまった資金が必要でしが、近年は少額から始められる不動産投資も誕生しています。当然ながら、投資額が大きいほどリスクも大きくなるため、まずは少額から始めて、不動産投資を体感しながら投資額を増やしていくのもおすすめです。
少額から始められる不当産投資として代表的なものは、不動産投資クラウドファンディング、区分マンション投資(マンション一室のみの投資)、不動産投資信託(REIT)などです。
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まとめ
不動産投資でカモにされないためには、なぜカモにされやすいのかを理解したうえで、不動産投資の仕組みや必要知識を学ぶことが大切です。また、投資資金が大きいほどリスクも大きくなるため、特に初心者は少額から始めて、不動産投資について学びながら経験値を上げていくとよいでしょう。
■監修者
名前:齋藤 彩(さいとう あや)
所有資格:AFP(Affiliated Financial Planner)、薬剤師免許、1級FP技能士
おもなキャリア:
急性期総合病院において薬剤師として勤める中、がん患者さんから「治療費が高くてこれ以上治療を継続できない」と相談を受けたことを機にお金の勉強を開始。ひとりの人を健康とお金の両面からサポートすることを目標にファイナンシャルプランナーとなることを決意。現在は個人の相談業務・執筆活動を行っている。