不動産投資で重要な「路線価」とは?調べ方や計算方法について

2023年08月25日

不動産投資で安定して家賃収入を得るためには、立地条件の良い土地に投資することが大切です。

立地条件の良い土地は、評価額が高くなります。この土地の評価額を算出するための目安の一つが、土地の「路線価」です。

土地の評価額を算出するには複雑な計算が必要なため、専門家に依頼して調べるのが一般的です。土地の評価額鑑定を専門家に依頼する場合でも、どのような基準や計算方法で評価額が決まっているかを知っておけば、不動産投資の土地選びをスムーズに進められるでしょう。

この記事では、路線価についての基礎知識や路線価の調べ方、路線価をもとにした土地評価額の計算方法について解説します。地価を考える際に知っておきたい土地の価格用語についても触れていくので、不動産投資を検討している方はぜひ参考にしてください。

路線価の基礎知識

路線価は、土地の価格を決める基準の一つです。まずは、路線価とはどのようなものなのか、把握していきましょう。

路線価とは?

路線価とは、道路(路線)ごとに決められた土地の単価のことです。

正しくは「財産評価基準」という名称で、道路に面している宅地1平方メートルあたりの土地の評価額(1,000円単位の価額)を表します。

路線価の定義にある「道路」とは公道を指しており、個人の敷地内にある私道は含まれません。つまり、すべての道路に路線価が定められているわけではないことを覚えておきましょう。

また、路線価には「相続税路線価」と「固定資産税路線価」の2種類があります。

相続税路線価は、相続税や贈与税の課税価格を算定することを目的に、国税庁が公示地価をもとに定めているものです。一方の固定資産税路線価は、固定資産税を算出することを目的に、各市町村が定めているという点が異なります。

路線価は不動産投資の重要ポイント

不動産投資を成功させるには、立地条件の良い不動産に投資することが重要です。先述のどおり、好条件の立地は評価額が高くなるため、投資先の土地を選ぶ際には、土地の評価額を算出するとよいでしょう。

また、不動産投資において、路線価は土地の取引が行なわれる際の取引価格の目安となります。そのため、土地を適正価格で売買するために、路線価を算出しておくことは非常に重要です。

路線価の調べ方について

土地の評価額を算出する際には複雑な計算が必要ですが、路線価そのものは簡単に調べることができます。

土地の路線価の調べ方は、以下のとおりです。

1.国税庁のサイトで「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」を開く
2.都道府県地図が表示されるので、路線価を調べる地域をクリックする
3.財産評価基準書目次の「路線価図」をクリックする
4.市区町村の一覧から、目的の市区町村をクリックする
5.該当地域の路線価図が表示されるので、評価したい土地を探し、その土地が面している道路の路線価を確認する

路線価は、路線価図の道路上に書かれている数字です。道路に面した宅地1平方メートルあたりの価格が1,000円単位で表示されており、土地が複数の道路に面している場合は、それぞれの路線価が土地の評価額に影響します。

出典:国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」

路線価をもとにした土地評価額の計算方法

路線価をもとにした土地の評価額は「路線価×奥行価格補正率×地積」で算出可能です。

土地は、道路からの距離によって利用度合いが変化します。そのため、路線価をもとに土地の評価額を算出する際は、道路からの距離、面する道路の数なども考慮しなければなりません。

道路からの距離は、評価する宅地の奥行により「奥行価格補正率」を使って評価します。また、土地の側面にも道路がある場合は「側方路線影響加算率」も使用します。

なお、奥行価格補正率と側方路線影響加算率は、国税庁のサイトに一覧が掲載されているので、併せて確認してください。

出典:国税庁「奥行価格補正率表」

土地の評価額の計算について、例をもとに計算してみましょう。例えば「路線価20万円、奥行き40メートル、土地面積200平方メートル(普通住宅地)」の場合は、以下のように計算します。

20万円×奥行価格補正率0.91×200平方メートル=土地の評価額は3,640万円

ただし、実際の土地は地形が複雑だったり、複数の道路に面していたりするため、計算が非常に複雑になります。そのため、専門知識がない状態で正しい評価額を算出するのは困難です。

不動産の売買では、適正価格で取引することが大切です。そのため、実際に土地の評価額を算出する際は、専門知識のある不動産鑑定士・宅建士・税理士などに鑑定を依頼しましょう。

その他の土地の価格用語

土地の評価額を決める際の目安には、路線価以外にもさまざまなものがあります。ここでは、よく使われる4つの土地の価格用語について解説します。

・実勢価格(時価)
・公示地価(地価公示価格)
・都道府県地価調査価格(基準地価格)

実勢価格(時価)

実勢価格とは、実際に取引が成立したときの土地の価格のことです。

土地は、売り手と買い手の双方に希望価格が存在しますが、最終的に取引された価格が実勢価格となります。実勢価格を指して「土地の時価」と表現する場合もあり、おもに土地の相場や市場価格という意味で使われる言葉です。

過去の実勢価格は、国土交通省が運営するWebサイト「土地総合情報システム」の「不動産取引価格情報検索」で閲覧できます。

土地の評価額は、土地の需要や周辺環境などの影響を受けて大きく変動し、実勢価格は年によって変化します。そのため、過去の実勢価格は、あくまで土地の評価額の目安程度に認識しておくとよいでしょう。

出典:国土交通省「土地総合情報システム」

公示地価(地価公示価格)

公示地価とは、国が調査した土地価格の目安のことです。国土交通省土地鑑定委員会が毎年3月に発表する「毎年1月1日時点の標準地の正常な価格」を指します。

公示地価の調査は、地価を適正にすることが目的です。そして公示地価には、土地の取引に対して指標を与えること、不動産鑑定の規準となることなどの役割があります。

公示地価の調査対象となるのは、基本的に都市計画区域の土地です。ただし、都市計画区域外であっても、不動産取引が多く行なわれると予想される土地は鑑定が行なわれます。2023年は、2万6,000地点で調査が実施されました。

公示地価は国土交通省の「国土交通省地価公示・都道府県地価調査」で閲覧でき、個別地点(標準地)の情報は「検索地域指定(地名入力)」で検索できます。

出典:国土交通省「国土交通省地価公示・都道府県地価調査」

都道府県地価調査価格(基準地価格)

都道府県地価調査価格とは、国土利用計画法施行令第9条に基づき、都道府県知事が公示する「毎年7月1日時点の基準地の価格」です。

都道府県地価調査は、土地の取引規制の価格審査、地方公共団体などによる土地の買収価格の算定に際して基準とし、地価を適正にすることを目的として実施されます。評価対象となるのは、全国約2万地点にある基準地です。

都道府県地価調査価格は、調査時期・調査地点において、地価公示を補完する立場にあるといえます。

都道府県地価調査価格は、地価公示と同じく国土交通省の「国土交通省地価公示・都道府県地価調査」で閲覧可能です。

出典:国土交通省「国土交通省地価公示・都道府県地価調査」

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不動産投資において、路線価は土地の評価額を定めるための重要な指標です。収益を出し続ける不動産に投資するには、路線価を含め不動産の知識習得が欠かせません。

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まとめ

不動産投資を成功させるには、収益を出し続ける不動産に投資することが重要です。

路線価は、相続税や贈与税の課税価格を算定するために定められたものですが、不動産投資において好条件の投資先を選定する際の参考や、不動産の売買取引における適切価格の目安にもなります。土地を適正価格で取引するには、路線価をはじめ、不動産についての知識を身に付けることが大切です。

路線価を用いた土地の評価額は計算が複雑であり、専門知識が求められます。より正確に評価額を算出したい場合は、専門家に鑑定を依頼するとよいでしょう。

【監修者】

名前:金子 賢司
東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はジャザサイズ。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信している。
保有資格:CFP