アパート一棟買いで失敗するのはどのような場合?具体例や失敗しないためのコツを解説
2024年04月03日
不動産投資に興味のある方は「アパート一棟買いは失敗することも多くて危険」と、聞いたことがあるのではないでしょうか。たしかに、アパート一棟買いは収益が増える可能性があるものの、各種リスクが増大するおそれもあります。
本記事では、アパート一棟買いでありがちな失敗例や、失敗しないためのコツを解説します。この記事を読めば、アパート一棟買いのメリット・デメリットのほか、失敗しないために何をすればよいかがわかるようになるでしょう。
アパート一棟買いとは
アパート一棟買いとは、不動産投資方法の一種です。不動産投資にはいくつか種類がありますが、集合住宅を扱う不動産投資の種類としては「一棟アパート」と「区分所有」に大きく分けられます。
一棟アパートでは集合住宅の建物全体を購入して、各部屋を賃貸用として運用します。この一棟アパートが「アパート一棟買い」と呼ばれる投資方法です。
一方で区分所有は、建物全体ではなくマンションなどの区分所有物件の1部屋または数部屋を購入し、賃貸用として運用する投資方法を指します。
アパート一棟買いの失敗例
アパート一棟買いが危険というイメージには、失敗談の影響もあるでしょう。失敗例を知ることで、リスク回避につなげることも可能です。
思ったよりも空室率が高い
空室率は収益に直結する大切な数字です。空室率が高くなる理由には、物件が周辺エリアの需要に合っていないことなどが考えられます。特に、購入前に周辺エリアの入居候補者やライフスタイルなどをリサーチしていないと、需要に合わない物件になり入居希望者が集まりにくいでしょう。
ローンを組んでアパート一棟買いをした場合に空室率が高まると、家賃収入だけでローン返済額を賄えなくなるなど、投資にかかるランニングコストの増加を招きます。さらに、空室率が改善できなければキャッシュフローも悪化し、突発のトラブルや大規模修繕に対応できなくなるなど、悪循環に陥るおそれもあります。
維持費が予想以上にかかる
アパート一棟買いに限らず、不動産投資には物件の維持費がかかります。そのため、空室率が高くなくとも、維持費がかかりすぎて失敗することがあります。
例えば、中古物件をアパート一棟買いする場合は、修繕費に注意が必要です。中古物件の購入後に、想定以上の規模の修繕が必要だと判明することもあります。外からは見えない部分に問題がある建物もあるため、見た目や価格の安さだけで物件を選ぶことは避けましょう。
また、住人の入れ替わりが激しい単身者向け物件などでは、入退去にともなう費用や入居者募集の費用がかさむケースもあります。家賃収入も不安定になるため、失敗しやすいでしょう。
住人とのトラブルに悩まされる
住人さえいれば家賃が毎月定期的に入るものと思われがちですが、家賃の滞納があるとその月の家賃収入は減ります。滞納者が家賃の支払いに応じないことも考えられ、裁判といった法的手段などをとった場合には、さらに回収にかかる手間やコストがかかります。
ほかにも、住人同士のトラブルも起こり得ます。両者が納得できる解決法を提示できればよいですが、退去者が出て空室が生じることもあるでしょう。また、住人の故意や過失によって物件の毀損が生じた場合にも、修繕費が必要となります。
アパート一棟買いのメリット
アパート一棟買いではリスクばかりに目を向けてしまうかもしれませんが、投資である以上メリットもあります。ここでは、アパート一棟買いのメリットを2点紹介します。
資産価値が高く収入が増える
アパート一棟買いは運用する部屋数が多く、区分所有と比べて得られる家賃収入も増えます。また、アパート一棟買いでは、建物と土地がセットであることが一般的です。そのため、資産価値が高くなり、金融機関からの与信も上がるため、新たなローン審査が通りやすくなります。組んだローンで別の物件を購入すれば、さらなる家賃収入も期待できます。
老朽化などで建物が使えなくなった場合でも、駐車場などの他事業に転用可能です。
自由度が高い
区分所有では、リフォームなどができるのは専有部分のみで、共有部分のリフォームは行なえません。しかし、アパート一棟買いなら建物全体を購入するため、共用部分も含めて自由にリフォームが可能です。想定する入居者のニーズに合わせた改修や設備の導入が、自分の考えで行なえます。
また、管理会社も自分で選べるため、管理費などを安く抑えることもできるでしょう。
アパート一棟買いのデメリット
投資にはリスクがつきものです。メリットだけでなくデメリットも知って、投資に臨みましょう。
管理コストが高い
区分所有と異なり、アパート一棟買いでは建物全体を修繕しなければなりません。おおよそ10~15年おきに屋根や外装などの修繕をするのが一般的ですが、そのたびに百万円単位の出費が発生します。
このような大規模修繕に備えて、普段から修繕費を貯めておくことが大切です。
災害リスクがある
同じ集合住宅に投資したとしても、アパート一棟買いは区分所有に比べて火災や地震といった災害の影響を大きく受けます。そのため、保険に入る方がほとんどですが、被災金額が大きく、ある程度の自腹を切らなければならないケースも珍しくありません。
特に、家賃相場にも影響が生じる災害として、地震の際に起きる液状化現象が挙げられます。被災地域の広範にわたって被害が出て、住人に危険がおよぶおそれがある場合には一斉退去することも考えられます。
需要が変化するリスクがある
不動産の周辺環境の変化にも注意が必要です。
例えば、大学の近辺に学生向けのアパートを経営している場合、大学の移転にともなって住人が退去することは十分にあり得ます。また、所有している物件の近くに高層マンションが建てられれば、日当たりが悪化して住人が引越してしまうこともあるでしょう。
このようなケースでは、区分所有であれば物件ごとにエリアを変えてリスクを抑えられますが、アパート一棟買いではリスク分散が難しくなります。
アパート一棟買いで失敗しないためのコツとは
デメリットをみると怖くなってしまうかもしれませんが、おそれてばかりでは投資ができません。いくつかのコツを押さえれば、アパート一棟買いの失敗のリスクを小さくできます。
しっかりとした資金計画を立てる
まず必要なのは、長期的な見通しによるしっかりとした資金計画を立てることです。特に、空室率が低いにもかかわらず赤字経営が続いている場合は、資金管理の見直しを急ぎましょう。例えば、赤字になる原因には、ローン返済額が多すぎる、周辺にある似た条件の物件に比べて家賃が安すぎる、大規模修繕を行なった、などが考えられます。
ローン返済額や家賃設定に問題がある場合には、金融機関へ返済額の減額相談に行く、家賃を上げるなど、できることから早急に手をつけましょう。
大規模修繕などに関しては、あらかじめリフォームやリノベーションなどを考慮して計画を立てておけば、運用にも無理が生じにくいでしょう。できるだけ自己資金を多くしておけば、空室が急に増えたときや突発の修繕が必要なときなどに備えられます。
物件を自分で確認する
眺望や採光、騒音などは実際に確認しなければわかりません。資料では南向きと記載されていても、現地に行くと大きなマンションが日差しを遮っていたということも考えられます。
また、目で見える眺望・採光などと違い、音に関しては感じ方が人によって異なる部分です。曜日や時間帯を変えて、何度か訪れることをおすすめします。
確認の際には見た目に惑わされることなく、間取りや設備が想定している住人のニーズと合致しているかなどの確認も大切です。
物件の周辺環境も確認する
アパート一棟買いでは、都市部に比べて地価が安い分、地方を選ぶケースもあります。しかし、あまりにも人のいない土地でアパート一棟買いをしても、過疎化のリスクが高まってしまうでしょう。このようなリスクを抑えるためには、都市部の物件を選ぶのがおすすめだといえます。
都市部でアパート一棟買いをする場合には、駅への近さはもちろん、ターミナル駅に乗り換えなしで行けるかどうかも重要です。都市部では車を持たなくても生活できるため、交通利便性の有無がポイントになりますが、車が中心の地方では、駅の近さはそれほど魅力にはならないでしょう。
また、住民トラブルを防ぐために、治安が良いエリアを選ぶことも重要です。環境犯罪学では「環境が犯罪を生む」という考え方がありますが、治安の悪い場所にはトラブルを抱えた人が集まりやすいともいえます。
このほかに、ハザードマップなどによる災害リスクの確認も必要です。住人の立場になって、少しでも不安を感じるような環境は避けたほうがよいでしょう。
信頼できる管理会社を選ぶ
アパート一棟買いでは、住人が複数になるうえに、共用部分も管理しなくてはならないため煩雑になりがちです。そのため、質の高い管理会社を選ぶ必要があります。
質の高い管理会社に依頼すれば、住民とのトラブルや家賃滞納などが発生した際にも安心して任せられます。
アパート一棟買いのデメリットをカバーできる不動産投資クラウドファンディング
アパート一棟買いは、管理コストの高さに加え、災害リスクや需要が変化するリスクなどさまざまなデメリットがあります。また、アパート一棟買いは初期費用が高いため、誰でもできる投資とはいえません。
一方で、区分所有も需要が変化するリスクなどを完全に避けることはできず、やはりある程度まとまった金額が必要です。そのため、投資初心者には参入が難しいことが考えられるでしょう。
そこでおすすめするのが、不動産投資クラウドファンディングです。不動産投資クラウドファンディングは多くの投資家から資金を集めて不動産を取得し、運用から得られた利益を投資家に分配するサービスです。投資は少額から行うことが出来、運用する不動産はプロが厳選するうえ、複数の物件への分散投資も可能なため、アパート一棟買いにみられる各種リスクの低減も期待できます。
「COZUCHI」なら少額から不動産投資が可能
不動産投資クラウドファンディングを始めるか検討している方は、ぜひ「COZUCHI」をお試しください。
COZUCHIでは、数十億円するような高額な不動産でも少額から投資できます。不動産の運用もプロが行なうため、投資後は配当を待つだけです。投資を実施する上で購入手数料や運用手数料なども必要ありません。
COZUCHIについてさらに詳しく知りたい方は、以下のホームページをご覧ください。
また、お問い合わせや会員登録については、以下のページにお進みください。
まとめ
アパート一棟買いとは、アパートを建物ごと購入して運用することです。運用する部屋数が多く収入が増えるなどのメリットはありますが、想定よりも空室率が高くなったり、維持費がかかったりして、キャッシュフローが悪化するケースも少なくありません。
アパート一棟買いを成功させるには、物件や周辺環境などをよく確認して、しっかりとした計画を立てることなどが重要です。
しかし、不動産投資初心者がいきなりアパート一棟買いに挑戦するのは、不安も大きいでしょう。不動産投資に興味がある場合には、少額から投資ができる不動産投資クラウドファンディングがおすすめです。
不動産投資に興味があるものの、なかなか手が出せないという方は、ぜひ一度COZUCHIの詳細をご確認ください。
■監修者
名前:工藤 裕徳(くどう ゆうとく)
所有資格:特定社会保険労務士、行政書士、1級FP技能士
おもなキャリア:
1989年安田信託銀行(現・みずほ信託銀行)入行、その後、Alico Japanを経て、
2002年大和証券に入社。国際企画部、経営企画部、フィリピン現地法人取締役、上海合弁企業監査役、バンコク駐在員事務所長などを歴任した後、2017年大和証券を退職。
タイの日系企業の財務顧問(CFO)に就任するとともに、2018年3月工藤国際社会保険労務士事務所を設立し、2021年3月に法人化。2023年3月に行政書士事務所を併設。